社員の服装から社風が見える? 新卒離職防止へ紹介サイト開設
社風って重要だけど、わかりづらい――。そんな就職活動生の悩みに応えようと、紳士服大手の青山商事と就活サイト運営のワンキャリアが2024年11月から、就活の場面や企業で働く人の「服装」から、職場環境を伝えるサイトを公開している。就活生の服装選びや、近年増えている早期離職の解消にもつなげたいとしている。 厚生労働省が10月に発表した離職状況調査によると、21年3月に大学を卒業した新卒就職者のうち、3年以内に離職した人は34・9%。3人に1人が早期離職していることになり、15年前までさかのぼっても最も高い。 ワンキャリアが大学生を対象に実施した就活に関する調査で「企業選びで最も重視すること」を尋ねると、トップが「社内の雰囲気が良いこと」だった。その一方で、「説明会や新卒採用サイトで社風やカルチャーが理解できなかった」と答えた人は62%と、重視する社内の雰囲気をつかみきれていない学生が過半を占めている。 こうした実態から、青山商事とワンキャリアは、早期離職を引き起こしているのは「就活生の求める情報を企業が提供できていないことが一因にある」と考え、会社選びのサポートをする取り組みを開始。「社風見える化プロジェクト」と題し、同名のサイトを立ち上げ、就活生と企業に生じるミスマッチの解消を図っている。 サイトには取り組みに賛同した27の企業と団体を掲載した。各企業で働く人の写真のほか、選考時の採用担当者と学生の服装に関するアンケート調査なども紹介。業種ごとや同じ企業のなかでも部門によって服装の傾向が異なることや、学生や新入社員を悩ませる「オフィスカジュアル」で、実際にどのような服装をしたのかなどがわかる。 青山商事が運営する「洋服の青山」の店舗で接客時にサイトを案内するなどして周知を図る。同社広報担当者によると、利用した学生からは「言葉だけではなくリアルな社員の働く姿が見えて参考になる」といった声が寄せられているという。【嶋田夕子】