東京五輪マラソン朝6時スタートは日本勢にどんな影響を与えるのか?
酷暑が問題視されている2020年東京五輪。当初、男女マラソンのスタート時間は午前7時が予定されていた。しかし、日本医師会などが、「選手や観客の命にかかわりかねない」として、1時間半繰り上げる案を要請したことなども手伝い、大会組織委員会は午前6時のスタートに変更する案を固めた。今日にも発表される。 では、実際にスタートが1時間早まることで、どれだけの“効果”があるのか。マラソンは8月2日(女子)と同9日(男子)に行われる。今年同日の東京の気温と湿度を気象庁のサイトで調べてみると、以下の通りだ。 8月2日 8月9日 6時28.5度、85% 24.4度、93% 7時29.2度、80% 25.6度、85% 8時31.4度、61% 26.5度、81% 9時32.7度、54% 26.5度、85% 10時34.0度、49% 27.9度、79% 8月2日は最高気温が36.5度に到達した日で、同9日は最高気温が31.5度と比較的気温が上がらなかった日になる。午前7時スタートと同6時スタートを比較した場合、競技開始時の気温は2日が0.7度、9日が1.2度下がり、終盤(午前9時と同8時の比較)は2日が1.3度下がったものの、9日は変化がなかった。 この「暑さ対策」は日本勢にとってプラスになるのか、マイナスになるのか。世界大会の出場経験があり、MGCファイナリストの出場権を獲得している某選手に話を聞いてみた。 「スタート時間が7時だろうが、6時だろうが、正直どちらでもいいと思います。選手としては、決められた時間に合わせて、コンディションを整えるだけですから。普段、早朝から全力で走ることはありませんが、慣れだと思います。レースの1週間ほど前くらいから、競技時間に合わせた生活リズムを作っていくので、海外レースの時差調整と同じです。そういうサイクルを作ってしまえば苦にならないですし、与えられた条件をいかに自分にとってプラスにできるかだと思っています」 早朝レースのコンディション作りについては、さほど問題視していないようだが、暑さについてはどうなのか。 「1~2度気温が下がるくらいなら、ほとんど変わらないと思いますよ。冬の1~2度は空気が乾燥しているので体感的に違いますが、日本の夏は湿度があるので、1~2度下がったところで、蒸し暑い。条件は選手全員同じなので、高温多湿の中で走る準備をしておけば問題ないと思います」