藤田譲瑠チマ（ＡＰ）

◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼Ｕ―２３アジア杯　準決勝　日本２ー０イラク（２９日・ドーハ） 【イラスト】大岩ジャパン、パリ五輪出場決定　注目の本大会組み合わせ 　【ドーハ（カタール）２９日＝後藤亮太】「大岩ジャパン」が８大会連続五輪出場を決めた。主将のＭＦ藤田譲瑠（じょえる）チマ（２２）＝シントトロイデン＝は、全得点に絡む２アシストをマークし、大一番で存在感を示した。 　ピッチの中央で、ＭＦ藤田が試合を支配した。「４―３―３」システムの逆三角形で形成する中盤の底で先発した主将は、前半２８分に中盤から細谷にロングパスを送って先制アシスト。同４３分にはＤＦ大畑からの横パスをダイレクトでゴール前のスペースでフリーになっていたＭＦ荒木に縦パスを送り２点目も演出。相手の攻撃の芽を摘む守備など、攻守で圧倒して五輪出場に大きく貢献し「自分たちの最低目標であったので、まずは達成できて良かった」と安どした。 　主将としても奮闘した。１次リーグ・韓国戦で敗れた後、選手間ミーティングを発案し、準決勝・イラク戦の前日にも対話の時間を設けた。「みんなの共通認識として、（負けても）次（３位決定戦）もあるっていう考え方をやめようと思っていた。負けたら何も残らない（準々決勝）カタール戦は、本当に怖かった。自分のできることを徹底しようと思っていました」。ピッチに響き渡る声でもチームを引き締めた。 　イラク戦で日本の全得点に絡み、目指してきた舞台にたどり着いた。それでも「まだまだこのチームは強くなる。自分中心にもっとレベルを上げていけたら」。視線の先に日本サッカーの歴史を塗り替える金メダルがある。