認証不正、トヨタに国交省が立ち入り-制度見直す契機と冷めた声も
トヨタの豊田章男会長は3日の会見で、過去にあった販売店での車検不正を挙げ、性能や精度が向上した現代の車ではまず必要ないと考えられる整備項目を省いたところ不正となったというエピソードを紹介。今回の会見の場で自身が話せる内容ではないと前置きした上で、安全な車づくりのために現場が行う試験と認証プロセスで求められている手順などの間にギャップも感じると述べた。
「これをきっかけに国とOEM(自動車メーカー)がすりあわせをして何がお客さまのために、そしてまた日本の自動車業界の競争力につながるか、制度自体をどうするのか、となっていけばいいなと思う」と話した。
政府は影響を注視
ただ立ち入り調査の結果の精査はこれからで、車メーカーの報告と実態との乖離が判明する可能性もある。
認証試験に関する不正では今年に入ってトヨタグループの軽自動車メーカーであるダイハツ工業が国交省から一部車種について「型式指定」を取り消す処分を受け、一時国内全工場で生産停止となるなど大きな影響が出た。
今回もトヨタが「レクサスRX」でエンジン出力を確かめる試験で狙った出力が得られなかったためコンピューター制御を調整し、再度試験をしたデータを使用したケースなど、結果をよく見せるために行った事案が含まれている。
政府は影響を注視する。「自動車認証制度の根幹を揺るがす行為」。斎藤健経済産業相は4日の閣議後会見でこう述べ、新たな不正が発覚したことは極めて遺憾だとした。自動車の出荷・生産停止に伴うサプライヤーへの影響を調査し、結果を踏まえて資金繰り支援などの対応を検討すると明らかにした。
鈴木俊一財務相も、一時的でも自動車の生産停止が日本経済に与える影響は大きいと懸念を示し、注視する考えを示した。
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Masatsugu Horie