大みそかの視聴率対決 ── 注目は「ワンピース」で勝負をかけるフジテレビ
一際異彩を放つフジのアニメ放送
そうした中、一際異彩を放っているのが人気アニメ「ワンピース」の劇場版を放送するフジだ。今回は新作映像を追加した特別バージョンということだが、同作は人気アニメ「ワンピース」の劇場版第9弾で、08年3月に公開。すでに、テレビでも同局の「土曜プレミアム」枠で11年3月に放送されている。 フジといえば、昨年の大みそかには現役アスリートの対決や過去のスポーツ名場面を特集した「祝! 2020東京決定スペシャル スポーツが日本を元気にした50年!」を2部構成で4時間にわたって放送するも、1部が2.5%、2部が2.0%(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)と低視聴率に終わり、大惨敗を喫した。 そんな中、今年の大みそかに放送される番組が注目を集めていたが、同局とは縁のある人気アニメの劇場版に活路を見出すこととなった。 今月3日に「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル 絶対に笑ってはいけない大脱獄24時!」の制作発表の会見に出席した「ダウンタウン」の松本人志は、「僕はフジのアニメ『ワンピース』を見ます。斬新でしょ」とさっそくネタにしていたが…。
人気アニメ作品はそれなりの視聴率を記録するものの…
「『ワンピース』に限らず、宮崎駿監督作品や『ルパン三世』、『ドラえもん』などの人気アニメの劇場版やテレビスペシャルはそれなりの数字を残しますが、映画館のみならず、テレビでも1度放送されている作品を大みそかに放送するというのは、新たに新作映像を追加したとはいえ、確かに斬新な試みですよね。フジさんは十八番のバラエティー番組で勝負をかけると思っていたのですが、『ダウンタウン』やビートたけし&『爆笑問題』、『くりぃむしちゅー』を向こうに回しては分が悪いと思ったのでしょうか」(前出の放送作家) 果たしてフジの新たな大みそか戦略は吉と出るか、凶と出るか…。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)