イラン、イスラエルによる無人機攻撃確認-試みは失敗とも主張
(ブルームバーグ): イランの国営メディアは19日、イスラエルによる攻撃を確認した上で、無人機を使ったイスラエルの「破壊工作」は失敗したと主張した。
米当局者2人によれば、イスラエルはイランに対する報復攻撃に踏み切った。イランによる無人機・ミサイル攻撃から1週間足らずでの対応となる。ただ、両国のメディアは今回の件の重大性を控えめに扱うようになっているもようだ。
イラン第3の都市イスファハンで19日午前に爆発音があったと、同国のファルス通信が報じた。イランの国営テレビはイスファハンにある核施設は完全に無事だと伝えた。国際原子力機関(IAEA)もイランの核施設に被害はないことを確認したとX(旧ツイッター)に投稿。状況を非常に注意深く監視していると説明した。
イスラエル政府は攻撃を確認していない。同国はイランに関連する具体的な軍事行動についてコメントすることはめったにない。
米国や欧州諸国はここ数日、外交攻勢を強め、ネタニヤフ首相に対してイランの攻撃を巡り過度な対応を控えるよう説得を試みていた。イスラエルとハマスの戦闘によって既に動揺し、原油価格を1バレル=100ドルを上回る水準まで押し上げる恐れもある中東地域で、紛争の拡大を防ぐことが主要な関心事だ。
ロイター通信はイラン高官を引用し、同国が直ちにイスラエルに反撃する計画はないと報じた。この高官は「今回の件の原因が国外によるものだとは確認されていない。われわれは外部の攻撃を受けておらず、攻撃というよりは侵入ではないかとの方向に議論が傾いている」と述べたという。
イスファハンはイランが13日にイスラエルを攻撃した際に、無人機やミサイルを発射した拠点の一つだったとみられている。米紙ニューヨーク・タイムズは、イスファハン近郊の空軍基地が攻撃を受けたと報じた。
米当局者2人がブルームバーグに語ったところでは、イスラエルは18日、今後24-48時間以内に報復する計画だと米国に通告していた。非公開のやり取りだとして匿名を条件に明らかにした。国家安全保障会議(NSC)と国防総省の報道官はコメントを控えた。