身体表現を「写真集」に、ミュージカル界に新たな「正解」を生み出す小南満佑子【インタビュー】
■「外国人体型なので、衣装を選ぶのが大変」
──ちなみに、そのコンプレックスとは? プロポーションに関しては、すごく外国人体型なので、衣装を選ぶのが大変なんです。舞台では役によっては、バストが大きいっていうのでさらしを巻いたりもしていて。そういう部分でコンプレックスに感じていた部分を、20代も後半になってきて「(写真集は)かっこよく見せるにはすごく良いアプローチなんじゃないか?」とマネージャーにも言ってもらいました。 あと、これまで自分はあまり好きではなかったそばかすも、ヘアメイクさんに「それ、すごくいいよ」って言ってもらえたり、第一印象で「唇がいい」と血色感を褒めてもらったりとか、客観的に良いと思ってもらえるものを知ることで「ここ、強みにできる」と思える。この写真集を通して、自分に自信が持てるようなりました。 ──写真集を出したことで、表現する上での意識の変化などはありましたか? それこそ写真集発売後にはシチュエーションコメディと題された舞台『NOISES OFF(ノイゼズ・オフ)』で、これまでの作品では見られなかった「お笑いどころ」にも挑戦されていましたね。 今回、等身大をバーンと出させてもらったことによって、今までひとつの引き出しで勝負していたものが、いろんな引き出しを出せるようになってきた、その引き出しを出すことに抵抗がなくなったというのがすごく大きいかもしれません。 今年やらせていただいた役が『キング・アーサー』では王妃・グィネヴィアから始まって、『ヴァグラント』では警察隊長、『NOISES OFF』では舞台監督助手でメガネをかけて、ほぼほぼメイクもせず、お団子頭にペンさして走り回ってるみたいな役。 2023年は役の振り幅がすごく大きくて、そこに写真集も出させてもらって・・・と。いろいろな小南満佑子をお客さまにお届けできたのでは? と思っていて、それは表現者としての醍醐味というか、役者冥利に尽きる年だったと思います。