まもなく侵攻から2年 “戦地のワイン”の輸入を手がけたウクライナ人女性の奮闘【WBS】
今月でロシアによるウクライナ侵攻から2年となりますが、1日から日本のスーパーで販売が始まったのがウクライナ産のワインです。実はこちらは激戦地東部のバフムトで作られたものなのですが、その裏には日本に移住したウクライナ人女性の奮闘がありました。 小売大手の「イオン」は1日から全国150店舗でウクライナ産ワイン6種類の販売を始めました。「クリマートエクストラブリュット2014」「クリマートゼロ2015」「クリマートエクストラブリュット2014」の3種類が5800円、「アートワインプリュットナチュールホワイト2018」「アートワインブリュットロゼ2019」「アートワインブリュットルビー2019」の3種類が3800円。と2つの値段帯で発売します。 目玉商品のスパークリングワインを飲んだ角谷暁子キャスターは「おいしい。イチゴ、ラズベリーのようなちょっと酸味のあるフルーティーさがあってとてもさわやかです。いろいろな食べ物とも楽しめそうな味です」と話します。 イオンの酒の専門店「イオンリカー」でワイン商品開発担当の藤井香乃さんも「(ウクライナは)非常に冷涼だが日照量が多いので、すごくいいブドウができる。もう必ず売れるかなと思う」と自信を見せます。
このワインを作ったのが、ウクライナのワインメーカー「アートワイナリー」です。 工場は戦火に見舞われた東部バフムトにあります。地下70メートルで熟成させ、クラシック音楽を聞かせるなど伝統的な製法も取り入れ、ワインを生産してきました。しかしロシアの民間軍事会社「ワグネル」が公開した映像を見ると、地下の工場が占領されたとみられる様子が映っていました。 アートワイナリーはロシアの侵攻直前にワイン数百万本を工場から別の場所に運搬、命がけでワインを守りました。 思いを受け継ぎ、日本での販売を実現したのが日本に移住し貿易業を営むウクライナ人のエフゲニア・グリッパさんです。ワインが店頭に並んでいる様子を見て「泣きたい気持ち。すごく幸せです。これからだが、ここまで来られて皆さんに感謝しています」と話します。 一体どんな苦労があったのでしょうか。