ヨネワールド全開!アートコンビニ「ヨネマート」 アーティストが生み出す“新しいもの”がそろう場所
国立競技場駅から徒歩10分、パステル調の青い屋根と、柔らかに光るネオンが目を惹く。大きな窓ガラスから見えるのは、淡い配色のポップな内装と、ジャンルを超えて並べられたアーティスティックな商品たち。平日昼間にも関わらず、取材中も多くの方が店を訪れた。そんな“アートコンビニ”「ヨネマート(YONEMART)」は、今年7月にオープンした、アーティストグッズを中心に販売するギフトショップだ。今回、同ショップキュレーターの米原康正氏と赤松亮オーナーに話を聞いた。 【画像】ヨネワールド全開!アートコンビニ「ヨネマート」 アーティストが生み出す“新しいもの”がそろう場所
“アートコンビニ”「ヨネマート」
店頭には、Tシャツや帽子などのアパレル商品をはじめ、ピアスなどのアクセサリー、花瓶やポストカードなどの雑貨がジャンルレスに並ぶ。それらのほとんどは、まだ名の知られていない若手アーティストの商品や、同店と共同で開発した商品だ。奥には、全国から選りすぐった袋麺やドリンクなどの食料品が並んでいる。アーティストに軸を置きながら、取り扱う商品の幅広さは、まさに”アートコンビニ”だ。
アーティストと共に作るショップ
販売するアーティストグッズのキュレーションを行うのは、“ヨネちゃん”こと米原康正氏。編集者、カメラマンとして知られているが、実は現在、原宿、表参道などで若手アーティストに焦点を当てた自身のアートギャラリーを4軒運営している。米原氏と組んで店を運営し、商品企画などの実務面を手掛けるのは、赤松亮オーナー。赤松オーナーは19年に、共通の香港の友人を介して米原氏と知り合った後、同氏がキュレーターを務めるギャラリーに通う内に親交を深め、「ヨネマート」オープンに至った。赤松オーナーは「アーティストと共に、作品そのものを商品にする方法を考えながら売っていく、アーティストと一緒に作りあげるショップ」であると話す。
同店の狙いは「若いアーティストに、自身の作品で収益を得られる機会を提供する」こと。アート作品を商品としてマネタイズすることは、無名かつ経済的に豊かといえない若者にとって挑戦が多い。そんなアーティストの作品を選び、商品を共同で製作し販売。自身の作品を収益化しながら、知名度、経済力などのしがらみに左右されず、新たに生まれるアーティストが注目されるアート文化の興隆を図っている。「展覧会のような目立った活動ができなくても、作品が商品として成り立つようなアーティストはいる。それをコレクターが買うかどうかというよりも、普通の人がアートをエンターテイメントとして楽しめるような、一般的なギャラリーとは違った提案の仕方をしていきたい」と米原氏。