【人はどこまで悪趣味になるのか?】AIを使って故人を蘇らせる生成ゴーストが急増!SNSのネタとして消費される死者
■ 殺された娘がAIキャラクターに 2024年1月、米国のコメディアンで、2008年に死去したジョージ・カーリンの声を模倣して作成されたYouTube動画が公開された。作成したのは別のコメディアンと脚本家だったが、模倣の許可を取っていなかったため、カーリンの娘であるケリー・カーリンらが反発。彼らを提訴するに至っている。 この際にケリーは、X上に「どんな機械も彼の天才的な才能に取って代わることはできない」とコメントしている。 また10月には、米Forbes誌が興味深いニュースを報じている。ドリュー・クレセンテさんという人物が、18年前に殺された自分の娘があるAIサービス上でデジタル復活「させられて」いるのを発見したというのである。 記事によれば、舞台となったのはCharacter AIというサービス。これはAI技術を活用して作成されたさまざまな「キャラクター」と、ユーザーが会話を楽しめるというサービスで、歴史上の人物やフィクション作品のキャラクター、そして実在の有名人に至るまで、さまざまなAIキャラクターが用意されている。 さらに、ユーザーはオリジナルのキャラクターを作成することができ、個性や話し方をカスタマイズすることもできる。 そうして作成したキャラクターを他のユーザーからも使えるように公開することも可能だ。実際にCharacter AI上では、そうして作成・公開された無数のキャラクターを検索し、会話を楽しむことができる。 この機能を使って、ドリューさんの娘がCharacter AI上で復活させられていたというわけだ。 娘が当時の交際相手に殺害されたため、ドリューさんは娘の名前「ジェニファー」を冠した非営利団体を立ち上げ、ティーンエイジャーのデート暴力を防止する活動を行っていた。そうしたことから、誰かが彼女に注目し、公開されていたさまざまなデジタル情報を「素材」としてCharacter AI上で復活させたのだろう。 Googleアラートでそのことを知らされた彼は、すぐさまCharacter AIのサポートチームに連絡。同社にジェニファーの名をかたるキャラクターを削除させている。