26日・27日の山の天気 日本海側を中心に晴天 山の中腹で紅葉ピーク
今週末は西日本と東日本の日本海側、北日本は高気圧に覆われて穏やかに晴れる時間が長い見込みです。一方、本州の南の海上には季節外れの秋雨前線が停滞するため、西日本と東日本の太平洋側では曇りや雨となるところが多いでしょう。気圧配置はまるで秋の初めのようですが、上高地や広河原といった有名な登山口で紅葉が見頃を迎えています。
衛星画像 秋雨前線が再び出現
雲の様子を見てみると、南西諸島から本州の南にかけて秋雨前線に伴う雲が延びています。秋雨前線は通常10月初めには消滅していることが多いのですが、今年は日本の南で上空の高気圧が強いため、夏の名残の空気と秋の空気の狭間で前線が再び発生しています。「戻り梅雨」ならぬ、「戻り秋霖」といった状況です。 今週末は本州の南に秋雨前線が停滞するため、太平洋側の地域で雲が広がりやすいでしょう。26日(土)夜間から27日(日)朝にかけては上空を気圧の谷が通過するため雨雲が発生しやすく、雨が降るところもある見通しです。台風20号は南シナ海を西寄りに進み、日本への直接の影響はない見込みです。 日本の南で上空の高気圧が強い状態は夏からほとんど一貫しており、そのために日本周辺は記録的な高温傾向が続いています。下のグラフは、気象庁が地域ごとに前3か月間の気温経過をまとめたものです。
ご覧のような状況ですから、今シーズンの山岳紅葉は全般に遅れていますが、北日本と東日本の高山ではようやく山の中腹まで進んできました。標高約1500mの北アルプス上高地ではちょうど紅葉が見頃にさしかかっています。平年に比べると1週間ほど遅くなりましたが、色づきは問題ないということです。同じく標高約1500mの南アルプス広河原では、林道から見える標高1600m~2000mの範囲がちょうど見頃となり、広河原でも色づきが進んだ木が目立ってきました。来週末まで楽しめそうだということです。 また富士山では10月25日現在、まだ初冠雪が観測されていません。甲府地方気象台による富士山の初冠雪の観測は、前身の山梨県立甲府測候所が開設された1894年から現在まで続いており、10月26日(2016年と1955年)が最も遅い記録になっています。日没を迎えたため、最晩記録に並ぶか、記録を更新することがほぼ確実となりました。