英王室、バルモラル城を結婚式場として開放へ 故エリザベス女王の愛した夏の離宮
英王室が、故エリザベス女王お気に入りの夏の離宮として知られるスコットランドのバルモラル城の敷地内に、約300人収容の結婚式場をオープンする計画を地元アバディーンシャー議会に提出した。複数の英国メディアが報じた。 【画像】スコットランドにあるバルモラル城 本城のすぐ北側に位置する、1980年代に王室職員の宿舎として建てられたクイーンズ・ビルディングを、最大277人のゲストを収容できる「結婚式、晩餐会、会議その他のイベント会場」として転用する許可を求めている。広い屋外パティオを活用してライブパフォーマンスを行ったり、深夜までアルコールを提供したりする計画だという。 バルモラル城は170年以上前から英王室が所有し、2022年に亡くなった故エリザベス女王が生前最も愛して、最期の時を過ごした場所だ。チャールズ国王はこの城を一般公開する機会を増やしており、今年初めて城内見学ツアーが開催された。チケットは100~150ポンド(約2万~3万円)で、発売から24時間で完売した。 バルモラル城の敷地内で結婚式を挙げるには、費用がいくらかかるのだろうか。今のところ、これ以上の詳細はわかっていないが、王室の申請した計画では「年間を通じて貴重」なイベントを催す機会が約束されている。 バルモラル城は1850年代初頭、ビクトリア女王の時代に英王室が所有権を購入した。現在の本城は1856年に完成し、王室に代々受け継がれてきた。花崗岩でできた本城の部屋数は167室。敷地は2万ヘクタールに及び、150棟の建物がある。敷地内は林業、農場、鹿やハイランド牛、ポニーの飼育など、いくつかの実用的な目的で使用されている。王室専用のゴルフコースもある。 この城は、ウィリアム王子とヘンリー王子が母ダイアナ元妃の訃報を知った場所として知られ、また、エリザベス女王がマーガレット・サッチャーやテリーザ・メイら英首相をはじめとする有力者をもてなした場所でもある。女王は死去する2日前に、バルモラル城でリズ・トラスを自身の治世最後の首相に任命した。 チャールズ国王は夏季休暇をバルモラル城で過ごすという王室の伝統を守り続けてはいるものの、BBCによると、国王とカミラ王妃は本城ではなく、隣接する私邸バークホール邸に滞在することを好んでいる。 英紙テレグラフによれば、バルモラル城とその敷地の維持費は年間400万ポンド(7億8700万円)に上る。英王室はバルモラル城のほか、バッキンガム宮殿、ケンジントン宮殿、ウィンザー城、メイ城など多数の不動産資産を保有している。
Mary Whitfill Roeloffs