「すべての道はロボットに通じる」 日電産など関連銘柄、株式市場で存在感
非製造業で大ブレイク期待
一般社団法人・日本ロボット工業会の調べによると、日本の産業用ロボットの総出荷台数は2015年が15万5521台と前年比13.2%増となり、リーマン・ショックで落ち込んだ09年の4万2330台から6年間で3.6倍に膨れ上がった。もちろん、史上最高の水準で、16年も一段と増加したのは間違いない。 ただ、ロボットと一口に言っても、業界内では(1)自律・移動型 (2)自律・固定型 (3)遠隔操作型 (4)作業アシスト型、の4つに分類されるケースが多い。(3)の遠隔操作型はドローンを、また(4)の作業アシスト型は介護の現場など用いられている負荷軽減目的のロボットスーツを思い浮かべてもらうと分かりやすいだろう。 今後、中・長期的に大きな成長が見込まれるのが、自動車用の次世代組み立てロボットや電気機械用ロボットセル、ロボテク家電、ロボテク自動車など。ロボットの導入が遅れがちだった非製造業では、サービス分野の物流ロボットの大ブレイクを予測するロボット担当の証券アナリストもいる。
日本電産、中・長期上昇トレンド変わらず
では、具体的にどのようなロボット関連企業が注目されるのか。ロボットメーカーといえば、ファナック(6954)と安川電機(6506)が国内の2大企業だ。 工作機械用NC(数値制御)装置では世界の頂点に立つファナックは産業用ロボットの技術力、販売力でも秀でた存在。2017年3月期の連結業績予想(会社側見通し)は売上高5210億円で、営業利益予想は1405億円、つまり売上高営業利益率が26.9%と、仰天するような高収益会社である。今期は減収減益見通しとはいえ、「稼ぐ力」がいかに大きいかをまざまざと見せつける数値と言っていいだろう。来3月期の収益回復は有望だ。 また産業用ロボットの累積出荷台数ではトップの安川電機も見逃せない。サーボモーターやインバーターの実績も豊富。このほか、FA(ファクトリーオートメーション)の本命的存在と目されている三菱電機(6503)、マテハンシステムのダイフク(6383)も注目される。 ロボットは大量の部品、とりわけ高品質のモーターが内蔵されている。ブラシレスDCモーターのトップ企業、日本電産(6594)は部品関係ではロボット関連企業のエースとみていい。日本電産の株価は1月24日に1万1045円を付けたあと伸び悩んでいるが、業績は好調を持続し、株価の中・長期トレンドを示唆する13週移動平均線や26週移動平均線も上昇中。押し目買い方針で臨める銘柄だ。これはファナック、安川電機についてもあてはまる。 【連載】証券ジャーナリストが注目する 気になる株(証券ジャーナリスト 神田治明)