どうなる大阪の自民トップ選び 衆院選惨敗で候補わずか3人…「党本部に委ねては」の声も
10月の衆院選で惨敗した自民党大阪府連が、地元トップの会長選びに苦慮している。自民は府内19小選挙区のうち、国政で連立を組む公明党が候補者を立てた4小選挙区を除く15小選挙区で候補を擁立したが、現会長の谷川とむ氏を含む全員が日本維新の会の候補に敗れた。府連会長は府選出の国会議員から選ぶのが慣例ではあるが、該当者はわずか3人。自民内部からは「帯に短したすきに長し」といった声も漏れる。 【ひと目でわかる】比例得票でも〝最弱〟大阪自民、2連続で対維新「0勝15敗」 府連所属の衆院議員は、10月の衆院選において比例代表で復活当選した島田智明氏(54)。参院議員には、それぞれ当選2回の太田房江氏(73)と松川るい氏(53)の2人がいる。 自民の元国会議員は「年功序列でよい」として太田氏を推す。ただ、来年改選を迎える太田氏が3選を目指す場合、自民大阪の再建を担う府連会長との両立は困難だとみる向きもある。派閥パーティー収入不記載問題で、214万円の不記載が確認されたこともネックだ。 松川氏については「女性かつ外交官出身の政策通であり刷新感がある」(別の自民元国会議員)との期待があるものの、太田氏同様にパーティー収入の不記載が発覚し、額は204万円に上る。昨年には、フランス研修中に「観光旅行」にみられかねない写真を交流サイト(SNS)に投稿して物議を醸した。ある自民府議は、問題を蒸し返される可能性を懸念。松川氏の起用には否定的な考えを示す。 そもそも府連会長には、衆院議員が優先的に選ばれるという暗黙のルールが存在するが、島田氏は今回初当選したばかりで経験不足が弱みとなっている。 谷川氏を当面続投させる案や府議を充てる案もあるが、府連会長が国会議員でない場合、党本部との連携や交渉に不安が残る。大阪選出の党所属議員が減っている状況を受け、党本部が昨年、再建に向けた「大阪刷新本部」を立ち上げた経緯を踏まえ「(判断を)党本部に委ねたほうがよい」(別の自民府議)との意見もある。 衆院選敗北の傷痕は深い。(沢田大典)