【2024衆院選 あす投票】貴重な権利必ず行使を(10月26日)
加速度的な人口減少などを背景に、内憂外患の日本社会は政治への信頼も揺らぎ、大きな岐路に立つ。国際社会は、侵攻や紛争による分断が一段と進み、わが国の役割が重ねて問われている。衆院選は次代の国政のかじ取り役を選ぶ極めて重要な機会となる。あす27日の投票に向け、それぞれの政見、公約を改めて吟味したい。 各党は最大の争点とされる政治改革、経済政策や社会保障、外交安保など多岐にわたる分野でさまざまな公約を掲げ、選挙戦に臨んだ。 国内は、急速に進む少子化への対策、持続可能な社会保障制度の構築といった避けて通れぬ数々の難問が横たわっている。15日の公示以来、各候補者はどの分野を重点に、どのような課題解決の「処方箋」を示したのか検証する必要がある。 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の第2期復興・創生期間は来年度で終了する。災禍から13年7カ月が過ぎ、風化の進行も指摘されている。トラブルが続く廃炉、除染で出た土壌の県外処分に道筋を付け、地域再生を確実に前進させる取り組みは一刻の猶予も許されない。本県選挙区の候補者の訴えを振り返り、投票行動に生かしたい。
地球温暖化対策は国際社会を取り巻く重要な課題だ。化石エネルギー中心から、クリーンエネルギーを軸とした社会構造への移行が求められ、第一次産業を含めた産業界は歴史的な大転換を迫られている。台湾情勢は緊張の度を強め、北朝鮮の動向は不透明さを増している。安全保障政策の在り方も大きな争点となっている。 県選管委によると、県内の期日前投票者数は24日現在、26万1834人で、前回同時期(2021年)より385人増えている。選挙は民主主義の根幹であり、次世代により良い社会を引き継ぐためにも、期日前を含めて必ず権利を行使すべきだ。 過去の選挙の開票作業では、未集計の票を持ち帰り票として処理するミスや、票の束を数える計数機が正常に動かないといったトラブルが起きている。終了時間が当初予定よりも大幅に伸びた例も少なくない。県と各市町村の選管委は手順の確認を再度徹底し、円滑な作業に万全を期すよう求めたい。(渡部純)