【高校サッカー選手権】東海大福岡、2連覇中の飯塚を撃破!かつては雌雄を分け合った東福岡との決勝対決へ
11月3日、第103回全国高校サッカー選手権福岡予選2次予選準決勝が博多の森陸上競技場で行われ、第2試合で東海大福岡と飯塚が対戦。気迫し気迫がぶつかり合う試合は最後まで激しい戦いが続いたが、後半のアディショナルタイムに東海大福岡が劇的な決勝ゴール。12年ぶりの決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】 東海大福岡 vs 飯塚 4年前の高校総体で全国の初舞台を踏み、全国高校選手権大会には2年連続で出場中の飯塚。水色のユニフォームを身にまとい、豊富な運動量をベースに高い位置からのプレッシングを武器にゴールに向かってダイレクトにプレーするアグレッシブなプレースタイルで、新鋭と呼ばれるにふさわしい強さを発揮している。今大会もそのスタイルに陰りはない。 対するのは、福岡県高校サッカーファンにとってお馴染みのタイガージャージを身にまとう東海大福岡。前進の東海大五時代を含めて全国高校選手権出場14回、全国高校総合体育大会出場17回を誇る名門中の名門だ。第91回全国高校サッカー選手権を最後に全国の舞台から離れているが、ここ数年はかつての強さを思わせる戦いが続いている。とにかくアグレッシブ。球際の強度高く、前への意識を強くしてゴールへ向かう。 そんな試合の先制点は東海大福岡。時間は5分。コーナーキックのチャンスに倉田連(3年)が頭で合わせた。そしてここから両チームの気迫と気迫がぶつかり合う戦いが続く。推し気味に試合を進めるのは飯塚。シンプルに長いボールを前線に送り、セカンドボールを拾って松尾優輝(3年)がボールを配り、両サイドから新垣類(2年)と永田朔太郎(3年)が駆け上がる。 そんな飯塚の攻撃に東海大福岡は粘り強い守備で対抗する。目を引くのは、その運動量と集散の早さ。ボールホルダーをあっという間に2人、3人で囲い込むと強度の高い守備で飯塚に自由を許さない。ボールを持つのは飯塚。東海大福岡陣内でのプレーが続くが、それは飯塚の優位を示しているわけではない。激しく前から仕掛ける飯塚と、それを許さない東海大福岡のアグレッシブな守備が真正面からぶつかり合う展開が続いていく。 そんな試合が動いたのは76分。CKからのこぼれ球に左足を振り抜いたのは飯塚の森本快(2年)。次の瞬間、ゴールネットが大きく揺れた。それでも東海大福岡は下を向かない。依然として、ともに局面で激しくぶつかり合う展開に変わりはない。そして延長戦突入かと思われたアディショナルタイムに劇的なゴールが東海大福岡に生まれる。飯塚陣内で得たスローインのチャンスに田中蒼大(2年)が送ったのはロングスロー。それが大きく跳ねて福田大翔(2年)の足下へ。迷うことなく右足を振り抜くとゴールネットが大きく揺れる。これが決勝点。東海大福岡が決勝進出を決めた。 試合終了のホイッスルを聞いた瞬間、東海大福岡イレブンはピッチの上で喜びを爆発させた。今年は高校総体福岡県大会でも決勝進出を果たしており、12年ぶりの決勝戦進出は古豪復活を思わせるものでもある。そして、かつては雌雄を分け合った東福岡との決勝対決は15年ぶりになる。決戦は11月10日。福岡県高校サッカーファンなら見逃せない。 (文・写真=中倉一志)