ハーレー、BMW、インディアン、ロイヤルエンフィールドのど迫力カスタムマシンに注目! 「第31回ヨコハマホットロッド・カスタムショー2023」レポート
度肝を抜くBMW・R18ベースの大胆なアルミボディカスタム
クラシカルで上質なクルーザー、R18をベースにしたカスタムプロジェクトは、毎年、観客の度肝を抜くモデルが登場することで楽しみにしているファンも多い。2022年のChabo Engineering(チャボ・エンジニアリング)の「Wal(ヴァル)」に続き、今回は滋賀県から発信し、今や世界のカスタムシーンの最先端に躍り出たCustom Works ZON(カスタムワークス・ゾン)の手に委ねられた。 Ground 0(ゼロ)とリヤテールに記されたマシンは、全身がハンドメイドのアルミパネルに覆われ、一見するとソルトレイクのハイスピードチャレンジャーを思わせる雰囲気。だが、ディテールを見ていくうちに、計算され尽くした構造やバランスなど、ストリートからハイスピードツーリングまでを見据えたカスタマイジングだとわかるはず。 ハンドルやシートの造りは思わずため息が漏れるほどの仕上がりの良さで、R18がたたえる世界観をZONがはるか彼方まで増幅した印象。たとえオリジナル原理主義者だとしても、実車が放つ独特の雰囲気に抗うことは難しいはず。これからもR18のカスタムトレンドがどんな進化をとげていくのか、ぜひ注目したい。 ■滋賀県を拠点とするCustom Works ZON(カスタムワークスゾン)が手掛けた「Ground 0(ゼロ)」。全身をハンドメイドのアルミパネルに覆われた斬新なフォルムに、ギャラリーの目は釘付けだった。
スーパーメテオ650を格好のカスタム素材にしたロイヤルエンフィールド
ロイヤルエンフィールドというブランドは、カスタムシーンと距離がある印象をお持ちの方もいるだろうが、これまで紹介してきたいずれのブランドにも劣らぬほどのカスタムモデルが出展されていた。 今回は国内ビルダーの作品もあわせて4台のコンプリートモデルを出品。そのうち3台が2023年に日本上陸を果たした新型クルーザー・スーパーメテオ650がベースで、いずれもオリジナルからは想像もつかない世界観を作り上げていた。例えば、日本のカスタムビルダーとして高い創造性と人気を持つCherry’s Company(チェリーズ・カンパニー)は、なんとクラシカルなサイドカーにカスタマイズし、レトロテイストあふれるモデルに仕立て上げた。注目すべきは、そのディテールの緻密さと仕上がりで、ベースの素性を徹底的に煮詰めた腕前には誰もが言葉を失ったはずだ。 あるいは、Deus EX Machina(デウス・エクス・マキナ)のミラノ・ディヴィジョンはおなじみのサーフテイストに加え、ハイバックシートやごくシンプルなコスメティックチューンによって、スーパーメテオ650に全く新しい表情を加えるなど、見るものを飽きさせない。また、AN-BU CUSTOM MOTORS(アンブ・カスタムモータース)によるレーサーカスタムも注目を集めた1台で、ハンドメイド感あふれるカスタムバイクらしい仕上がり。 いずれも、素材の良さを極めたカスタムと呼べるもので、ロイヤルエンフィールドの実力を再確認させられるラインナップ。また、カスタムパートナーを選ぶ見識の高さも脱帽ものである。 ■1970年代のチョッパースタイルにインスパイアされたDeus EX Mchina Milan(デウス・エクス・マキナ・ミラノ)のスーパーメテオ650カスタム「THE ROLLING QUEEN」。 ■米カリフォルニアのカスタムビルダー、RSD(Roland Sands Design)が出展のスーパーメテオ650チョッパー。大胆にチョップしたフレームで、延長加工されたフロントフォークを幅の狭いトリプルクランクにセット。
モトクロッサーベースのカスタムや、ビンテージハーレーのカスタム
■宮城県のASTERISK(アスタリスク)カスタムワークスの手による、カワサキ KX450Fモトクロッサーベースのフラットトラッカーカスタム「KX450FT」。 ■三重県のVIRTUOSO MOTORCYCLES(ヴァーチュオーゾ・モーターサイクルズ)のカスタムハーレー「KINK SNAKE」。1950年代のハーレーモデルK(スポーツスターの前身)エンジンを搭載しつつ大胆な排気系を製作。 ■台湾から出展の「2LOUD CUSTOM」のW800カスタムボバー。 report&photo●石橋 寛