小松の民家にクマ3時間 市街地、1頭駆除 家人「まさか」
10日午前9時17分ごろ、小松市白江町の住宅の敷地内にいるクマ1頭を近隣住民が見つけ、110番通報した。クマは民家と物置の隙間に約3時間にわたって居座り、駆け付けた猟友会員によって駆除された。体長約1メートル、体重40キロの雌で、けが人はいなかった。この民家に住む女性は「大きいクマだったと聞いてびっくりした。まさか自分の家に来ると思わず、いまだに信じられない」とおびえた様子で話した。 現場は小松駅から北に約2キロの店舗や住宅が立ち並ぶ市街地。近くには第一小や第一地区コミュニティセンターがあり、周辺には規制線が張られた。付近の店舗では小松署員が買い物客に店の中や車内で待機するよう呼び掛け、午後0時22分ごろに散弾銃を2発打つ音が響き渡った。 現場近くの「コープこまつ」の梅谷壮洋店長は「小学校が近い場所。日曜で良かった」と話した。 住宅密集地などでの銃猟使用は、警察官職務執行法に基づき警察官が命じた場合などに限られている。クマによる人身被害を防ぐため、環境省の専門家検討会は7月、鳥獣保護管理法を改正して要件を緩和する方針をまとめている。 小松市内での今年のクマ目撃情報は10日時点で88件。石川県内では3人のけが人が出ており、県はツキノワグマ出没警戒情報を発令している。11日午後3時半ごろには、小松市下粟津町の空き地から茂みに入るクマを、矢田野小の児童が目撃した。同校教諭が市に連絡し、市職員や小松署員らがパトロールした。現場は校舎から約200メートルの距離。同校は12日の登下校について、集団か送迎かにするよう保護者に伝えた。