制作7年、ガンプラ使わずフルスクラッチの「ガランシェール」完成 圧倒的迫力の大作にSNS驚き「世界大会でもいけそう」
■「作り込まれたガンプラを並べても見劣りしない」がモチベーションに
――説明書もないフルスクラッチでの制作ですが、素人にはその工程は想像もつきません。どういった手順で制作を進めていったのですか? 【みずき匠】工程としては、4ミリ厚のシナ板でフレーム制作→それに合わせてスタイロフォームで外装の原型を制作→FRPを貼り込めば外装の完成です。曲面はほぼこのやり方です。平らな面はプラ板工作です。 ――言葉にすると簡単ですが、たくさんの苦労があったかと思います。どのようなことを意識して作業を進められたのですか? また、作業時にイメージしていたものがあれば教えてください。 【みずき匠】すべてにおいて1/144のスケール感を意識した工作をしました。作り込まれたHGUCのモデルを並べても見劣りしない、そんな模型を作りたかったんです。 あとは、『ガンダムUC』のすべてのシーンを再現できるように作りました。艦首ブリッジの中ではジンネマンがバナージに蹴られてます。上部ハッチからはスキウレ砲を装備したギラズールが横ハッチからはフル武装のギラズールが出てきます。ジンネマンが乗るベースジャバーもドッキングできます。ユニコーンがつかむグラップルブームもアクチュエーターで可動します。 ――完璧ですね。でもその間にはかなりの苦労があったのではないですか? 【みずき匠】そうですね。FRPで作った外装を組み込んでいったら本体の重量が10キロを超えてしまい、真ん中でぽっきり二つに折れてしまいました。フレームを角材で補強して台座も大きく強固に改修しました。 ――苦労して作ったものが真っ二つに…それは心が折れますね。ほかにも苦労したポイント、こだわったポイントを教えてください。 【みずき匠】曲面で構成されているのでシンメトリーを取るのは大変でした。目検討手作業でよくやりましたね。塗装もこれだけの大きさをベタ塗りにはしたくなかったので、航空機モデルによく使われる手法の“塩マスキング”を何度も繰り返しました。近づいてみると幾層にも塗り重ねられているのがわかると思います。 ――さすがのクオリティですね。実際7年がかりで制作したものが完成した時はどのような感想をお持ちになりましたか? 【みずき匠】よくやり切ったと自分を褒めてあげたくなりました。寝る時ベッドの横にガランシェールがあるんですよ。いい夢を見る予感しかないですよね(笑)。