「2人でローテに入れたら。枠を奪い取らないと」年男の巨人右腕が脱皮へ覚悟 同期左腕に「追いつく」
巨人・堀田賢慎投手(23)が6日、昨季8勝とブレイクした井上温大投手(23)との「年男コンビ」でフル回転することを誓った。球場開きとなったG球場の室内練習場で単独自主トレを行い、先発ローテーションの座を「奪」い取ると決意。「最低でも去年の温大ぐらいは勝つ」と同期入団の左腕に対抗心を燃やし、左右の新二枚看板で日本一「奪」回に導く覚悟を口にした。 新年から年男のハートが燃えたぎっていた。気温7度のG球場。練習を終えた堀田の言葉が、熱を帯びた。 「去年の温大ぐらいは最低でも勝たないと。あれぐらいの安定感を出していかないといけない。温大が今は少し抜けている。追いつかないといけない」 堀田と井上。共に2001年生まれで高卒同期入団の2人。ドラフト4位指名だった井上が昨季は8勝、侍ジャパンを経験するなど大きく飛躍した。自身は先発7戦を含む自己最多17登板で3勝3敗、防御率2・45を記録するも、CSではメンバー外。「温大との差が出た」と悔しさを味わった。今年のテーマは「奪」。「2人でローテに入れたら。僕は枠を奪い取らないといけない」と左右二枚看板での大活躍を思い描いた。 進化のヒントも、仲間からもらった。阿部監督の助言も得て、オフは右打者の膝元に食い込みながら落ちる軌道のフォークを重点的に練習中。詳細は企業秘密だが「温大には去年、抑えている要因がある。侍ジャパンも経験しているので」と井上の握りを参考にしている。「去年は投げた瞬間に(球種が)分かられたり、フォークに対する打者の反応が良くなかった。温大の握りでやってみたら、しっかり落ちるし、スピードも上がっている」と好感触を得た。それだけでなく、井上からも、日本代表で共闘した楽天・藤平を参考に「藤平さんの球がすごかった。足の上げ方をマネしてみたら?」とアドバイスをもらった。 V旅行にあえて参加しなかったのも、今季にかける覚悟の表れ。「去年ハワイに行かなかったので次はリーグ連覇にちゃんと貢献してハワイに行きたい。それが最高だと思う」。投手陣では昨季15勝を挙げた菅野がオリオールズへ移籍。先月、阿部監督はその穴を「5(勝)×3(人)」で埋める考えを示したが、若き右腕が有言実行の“温大超え”を果たせば、日本一「奪」回は近づく。かつてのドラ1がヘビのごとく皮を脱ぎ去り、生まれ変わった姿でブレイクを狙う。
報知新聞社