ライトケース一体型のスピードメーターは、4速のチェンジタイミングマーク付き

　さて、「ノーティダックス」は「ダックス」と名乗っていますが、モンキー／ダックスと異なる新世代の直立（やや前傾）したシリンダーのエンジンを採用しています。 　このエンジンは1971年に発売された「ベンリィCB50」から使用されているもので、その後長年に渡って「エイプ」など様々な車種に搭載されました。 　原付ですが、上級車と同じ様に混合気がエアクリーナーからキャブレター、そしてSOHCエンジン内を通り排気まで効率良く流れる設計となっています。 「ベンリィCB50」では5速だったミッションは、扱いやすいエンジン特性に合わせて4速に変更されています。 　ちなみに、「ノーティダックス」とホンダ初の本格オフロード車「エルシノアMT250」が発売されたのは同じ1973年です。まだアドベンチャーバイクという言葉もない時代ですが、気軽に楽しめる冒険ツーリングを実現した先進性は、自由に原付を開発できる羨ましい時代だったと言えます。

「ダックス」を名乗ってはいるが、搭載されるエンジンは直立（やや前傾）した単気筒SOHC

「ノーティダックス」には直接の後継機種はありませんが、よりアドベンチャーバイクテイストに近づけた「R＆P」が1977年に発売されています。 「ノーティダックスホンダCY50」（1973年）の当時の販売価格は9万8000円です。 ■ホンダ「ノーティダックスホンダCY50」（1973年型）主要諸元 エンジン種類：空冷4ストローク単気筒SOHC 総排気量：49cc 最高出力：4.5PS／9500rpm 最大トルク：0.35kg-m／8000rpm 全長×全幅×全高：1620×770×985mm 始動方式：キック 燃料タンク容量：3.5L 車両重量：80kg フレーム形式：ダイヤモンド タイヤサイズ（前後）：5.4-10-4PR 【取材協力】 ホンダコレクションホール（栃木県／モビリティリゾートもてぎ内） ※2023年12月以前に撮影