市原隼人「怒りが僕の原動力」“理由なき反抗”を続けてきたデビュー25年の現在地
自分自身の可能性をつぶさない
――停滞したまま、楽しめずにいる人もいます。 市原:幸せの定義というのは人それぞれだと思います。おそらくみなさま、これまでにいろいろな壁にぶち当たったり、苦手なことを経験されたりしたと思うんです。でもそこで全てを遠避けるのではなく、いつかそれを克服して、自分のものにできるかもしれない、壁を乗り越えられるかもしれないという“可能性”だけは残していただけたら、その方が僕は良いではないかと思います。 その人が、自分自身の可能性をつぶさないこと。それが人生を楽しむためのひとつの大きな手段だと思います。可能性さえ捨てなければ、たとえ目標にたどり着かなくても、そのプロセスのなかで、また新たな喜びを発見できるかもしれません。おこがましいですけれど、僕も同じ思いで、日々壁にぶち当たって、毎日心を折られるなかで、可能性だけはつぶさずにいたいなと思っています。
最新ドラマを前に、孤独感でいっぱい
――クライムサスペンス『ダブルチート 偽りの警官 Season2』がスタートしました。4月期にテレビ東京で放送された向井理さん主演のSeason1から、WOWOWにバトンタッチして、市原さん演じる田胡悠人を新たな主人公に展開していきます。1からの物語を受けての2の主演というスタイルへの挑戦はいかがですか? 市原:とても難しかったです。Season1で構築された組の空気感や雰囲気だったり、シーズンを通じて作品として何を伝えたいのかを考えたりしています。本当の正義とは何なのかという大きなテーマが見える、難しい作品です。撮影に入る前に各プロデューサーや監督陣と一緒に色々と話し合うなかで、ヒューマン的な部分がより前に出る作品になってきました。 ――作品のテイストが、Season1とはまた違います。 市原:Season1では地上波ならではの面白さを提供されていたと思うので、我々は我々でWOWOWでしかなし得ない掘り下げ方をしていきたいと要望いたしました。しっかりとすべてのスタッフ、役者のことを信じて寄り添ってくださる監督陣なので、そこに迷いはありませんが、これから田胡として、どんな心情にたどり着くのか、どこまで入っていけるのか。正直、自分としては孤独感でいっぱいです。