「放水したら爆発」中国・天津大爆発、日本の消防は大丈夫?
今月12日に中国・天津市で起きた大規模爆発。その原因の一つとして、水をかけてはいけない物質を保管していた現場に消防隊が放水したため、爆発が起きたのではないかと言われている。「出火した際に水をかけてはいけない物質」について、日本ではどのような対策が採られているのだろうか。
炭化カルシウムに放水したことが原因?
大爆発は、12日未明に天津市港湾部の化学物質保管倉庫で起きた。中国国営新華社通信によると、市当局が24日明らかにした今回の大爆発による死者は129人にのぼり、死者のうち76人が消防隊員、7名が警察官だった。未だ行方不明の44人のうちでも、28人が消防隊員、4人が警察官だという。発生から2週間が経つが、610人が入院中で、39人が重体だという。 爆発の原因は明らかになっていないが、消防隊が消火活動のために放水したところ、化学物質と反応し大爆発が起きた可能性が伝えられている。ロイター通信は、最初に現場に到達した消防隊員の話として、消防隊員は誰一人として倉庫の中にどんな物質があるか知らずに放水したと伝えている。消防隊が現場に到着した24分後に最初の爆発が起き、その30秒後に2回めの爆発が起きたという。今回の死者・行方不明者の半数以上が消防隊員であることも、この爆発が放水によるものだという可能性を示唆している。 チャイナデイリー紙は、今回の大爆発が起きた倉庫で、爆薬の原料となる硝酸カリウム、猛毒のシアン化ナトリウム、硫黄、炭化カルシウムなどが保管されていたと伝えた。爆発現場で保管されていたという「炭化カルシウム」は、水と反応すると有毒で可燃性の「アセチレンガス」を発生する。消防隊が炭化カルシウムが保管されている事実を知らずに放水し、大爆発が起きたことが推測できる。
日本では取り扱いに、許可が必要
同様の爆発事故は、日本で起きる可能性はないのだろうか。総務省消防庁危険物保安室の担当者は、「今回天津市の爆発の原因と報道されている炭化カルシウムといった放水してはいけない物質は、禁水性物質といいます。こういった危険物を一定量以上保管する場合は、市町村長の許可が必要なので、許可の過程で市町村の消防機関が把握することになります」と語る。