イスラエル軍、ヨルダン川西岸で大規模作戦を開始 「テロを阻止するため」
ヨランド・ネル中東特派員 パレスチナの保健当局は28日、イスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の北部がイスラエル軍の攻撃を受け、少なくとも11人のパレスチナ人が殺害されたと発表した。 うち5人はアル・ファルア難民キャンプでの空爆で、ほかの6人はジェニンでのドローン(無人機)攻撃と武力衝突で死亡したと報じられている。 イスラエルの治安部隊は、ジェニンとトゥルカルムで「テロを阻止するための対テロ作戦」を行っているとした。 これはイスラエルによる大規模作戦とみられ、ジェニン、トゥルカルム、ナブルス、トゥバスの少なくとも4都市が同時に標的となった。 パレスチナ自治区の複数都市が同時に標的となったのは、2000~2005年にかけて起きたパレスチナ人のイスラエルに対する大規模な民衆蜂起「第2次インティファーダ」以来とされる。 パレスチナ側の報道によると、ジェニンへ続く主要道路は封鎖され、市内の難民キャンプでは武力衝突が起きている。 28日早朝にあったイスラエル軍の空爆は、近隣の村の車両を標的にしたものと伝えられている。 イスラエル部隊はジェニンの病院1カ所に侵入したほか、トゥルカルムの病院2カ所を封鎖したとされる。 ナブルスへの空爆は、二つの難民キャンプに集中していると報じられている。 イスラエル軍の空爆を受けたトゥバス近郊のファルア難民キャンプでは、負傷者がいる場所まで救急車がたどりつけない状況だと、医療従事者は話している。 イスラエルのイスラエル・カッツ外相は、イスラエル国防軍(IDF)が「昨夜(27日夜)から、ジェニンとトゥルカルムにある難民キャンプに設置された、イランの支援を受けるイスラム・テロ組織のインフラを解体するため、両キャンプで総力を挙げて活動している」と述べた。 IDFは詳細をほとんど明らかにしていないが、IDFとイスラエル総保安庁(シンベト)、イスラエル国境警備隊は声明で、「ジェニンとトゥルカルムでのテロを阻止するため、現在対テロ作戦を行っている」とした。 (英語記事 Israeli military launches major West Bank operation)
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