【フィギュア】壷井達也「その時の悔しさも含めて出し切りたい」5年前、捻挫で全日本選手権棄権
<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯>◇7日◇東京・代々木競技場第一体育館◇男子公式練習 2年連続出場の壷井達也(21=シスメックス)は会場を見渡しながら、5年前に思いをはせた。 19年末、同じ場所で行われた全日本選手権。高校2年生で臨んだ日本一決定戦はSPを滑る事がかなわずに棄権していた。6分間練習で夏場に痛めた右足首を再び捻挫した。患部を冷やし続けて必死に出場の道を探ったが、欠場を決断。滑走順がくるとリンク中央まで進み、深く頭を下げた。 シニアに上がり、国際舞台の経験も積んで戻ってきた。「その時の悔しさも含めて全て出し切りたい」。言葉に力がこもった。 この日の練習では4回転サルコーから3回転トーループの連続ジャンプも決めるなど、好調さをアピールした。昨年はSPで12位。「ガチガチに緊張してしまって、自分の思い通りの演技ができなかった。先生からも『とにかくリラックスして』と言われています」。同じ轍(てつ)を踏む気はない。悪夢を、良い思い出に塗り替える。