韓国で「即席コーヒー」市場が急成長…手軽さ・コスパ・味の改良で満足度もアップ
【09月30日 KOREA WAVE】韓国では、物価高の影響で「RTD(即席飲料)コーヒー」が主流となっている。高価なコーヒー専門店の代わりにコンビニやマートで手軽に買えるRTDコーヒーを求める消費者が増え、市場規模は年間約2兆ウォン(約2168億円)に達すると推定されている。缶やカップ、ペットボトルなどさまざまな容器で提供されている。かつて弱点とされていた味を補完する新製品も次々と登場している。 ニールセンコリアが2022年に発表したRTDコーヒー市場規模は1兆4000億ウォン(約1517億円)で、年間約10%成長している。今年は2兆ウォンに迫ると予想され、飲料業界関係者は「コストパフォーマンスと利便性を重視する需要が増え、消費者の満足度も高い」と述べた。 RTDの中でも冷蔵カップコーヒーの人気が目立つ。コンビニCUが昨年のRTDコーヒー全体販売量を分析した結果、冷蔵カップコーヒーの割合が売り上げ全体の41.7%を占めた。次いで缶コーヒーが34.8%、ペットボトルコーヒーが21.2%、瓶コーヒーが2.3%を占めた。RTDコーヒーは特に秋の野外活動が増える9~10月に売り上げ全体の20%が集中した。冷蔵カップコーヒーはコーヒー専門店と似た味と安価な価格が特徴だ。 ペットボトル入りの大容量RTDコーヒーも人気を集めている。2022年基準でペットボトルコーヒー市場は3122億ウォン(約338億4000万円)で、年間6~7%成長している。大容量ペットボトルコーヒーは一度に大量に楽しめ、コストパフォーマンスを最大限に引き出せる選択肢だ。また、一定期間にわたって飲むことができ、経済的な面でも利点がある。業界関係者は「自宅やオフィスで頻繁にコーヒーを飲む消費者に特に人気がある」と話した。 東西(トンソ)食品とロッテ七星(チルソン)飲料が韓国RTDコーヒー市場をリードしている。食品産業統計情報によると、RTDコーヒー市場の半分を東西食品の「MaximT.O.P」とロッテ七星飲料の「カンタータ」が占めている。このほか、毎日(メイル)乳業や南陽(ナミャン)乳業などの乳業メーカーもRTDコーヒー市場で競争している。これらは有名カフェと提携して味に差別化を図ったり、健康志向の消費者に合わせた低糖製品を提供したりしている。 フランチャイズカフェもプレミアムRTDコーヒーを発売し、競争に参入している。イディヤやダンキンは、既存の店舗で販売していたコーヒーをプレミアムRTD製品として再解釈して提供した。これらのプレミアム製品は、高級豆を使用して品質が非常に高いと評価される「スペシャルティコーヒー」の特徴を生かし、カフェで飲むのと似た体験を提供することが特徴だ。ポールバセットやトゥーサムプレイスもRTDコーヒー製品を発売している。 RTDコーヒー市場は今後も成長を続ける見通しだ。コストパフォーマンスを重視する消費者が増加を続ける中、大容量ペットボトルコーヒーや冷蔵カップコーヒーへの需要は続くとみられる。一方、プレミアムRTDコーヒーへの関心も高まり、さまざまなブランドが差別化された製品を発売すると予想されている。業界関係者は「RTDコーヒー市場はコストパフォーマンスと利便性、そしてプレミアム化の流れでさらに成長するだろう」とみている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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