2度目の結婚…新たな出会い求めて熟年婚活 孤独や金銭面の不安など動機さまざま これから 100歳時代の歩き方
■かつての家族との課題 どう乗り越えるか
熟年再婚では、かつての家族との関係に付随するさまざまなハードルをどう乗り越えるかが、重要なポイントの一つになる。
「中高年になって再婚する際、元配偶者らに相談や根回しが必要となることは多い」。男女問題や婚姻関係の相談を数多く扱う行政書士の露木幸彦氏は、こう指摘する。
露木氏の扱ったケースでは、所有するマンションに妻子が住み続け、毎月10万円の住宅ローンを払い続けることを条件に離婚した60代男性が再婚しようとした際、交際相手が先行きへの不安から二の足を踏んだことがあった。
健康面でも不安を抱えていた男性は、「倒れたらローンを返せない」と元妻にマンションの売却を打診した。固定資産税を払っていた元妻は、子供がすでに独立し、広さや税の支払いを負担に感じていたため、マンションの売却益を受け取る条件で了承。男性のローン支払いは終わり、ようやく交際相手と籍を入れることができたという。
財産を巡る問題も厄介だ。「熟年再婚のメリットは生前なら生活保障、死後は遺産相続」(露木氏)。再婚すれば、相続権は現在の配偶者にも発生する。
ただ、相続権は元配偶者との間の子供にもある。「子供の相続分が減ることで関係に亀裂が入ることを懸念し、籍を入れることをためらう人もいる」という。
熟年再婚には、介護や看病がすぐに始まりやすいという側面もある。露木氏は「長所や短所を含め、互いがよく説明・理解し合うことが大切だ」としている。