工業だけじゃない!北九州を「食の都」に 美味そろう理由は
テレQ(TVQ九州放送)
北九州市といえば工業都市のイメージが強いですが、今「美食の街」として観光客の誘致に力を入れています。 一人前1万9800円というこのとき限りのすしが、提供されたのは小倉城の天守閣。腕を振るう職人は池田勲彦さんです。 寿司龍宮城 池田勲彦店主 「いらっしゃいませ、ご来店ありがとうございます。席にどうぞ」 小倉のすし店、龍宮城。オープンから2年ですが、遠方からも客が訪れる人気店に。池田さんは 新進気鋭の職人として注目されています。北九州の台所、中央卸売市場。池田さんが仕入れをする場所です。 寿司龍宮城 池田勲彦店主 「この辺で取れたヒラメだったりクエだったり、この辺の最高の魚が届いています」 こちらは、ノドグロ。脂がのった特大サイズで、卸値で1匹1万5000円でした。小倉城の完全予約制のイベントでは、15人が北九州のすしを堪能しました。池田さんの売り物であるパフォーマンスも。提供されるのは、市場で仕入れたノドグロなど選りすぐりの近海物です。さらに・・・ 池田勲彦さん 「地元で取れる赤ウニなんですけど、抜群なのでこの日のためにたくさん仕入れています」 包丁でたたいた本マグロの上に、その赤ウニを載せます。もちろん、にぎりずしも。こちらは、大トロです。近海ものを中心としたコースに客も満足顔です。 佐賀からの客 「ネタが違う、新鮮で。(近海と)場所を選んでいるネタがすごくおいしかった」 地元の客 「目の前で楽しませてくれるようなところも含めてすごく楽しみながら食事ができてま す。こんな風だったよというのをたくさんの人に話していきたい」 池田勲彦さん 「やっぱり北九州っていうのは、いい魚が集まる素敵な場所というか、おいしい魚がおいしいお寿司が食べられる場所なので、ぜひ北九州にお寿司を食べに来てほしいなと思う」 戸畑区にある照寿司の三代目、渡辺貴義さんです。渡辺さんは、池田さんに技を伝えいていてこの日も応援に駆けつけました。 照寿司三代目 渡邉貴義さん 「世界基準のすしができてきたというか若手の台頭もありこれからすしの街として北九州を盛り上げていきたい」 2024年3月には地元のすし店が立ち食いの店を開きました。場所は小倉駅の新幹線改札の中。1日平均250人の客が訪れ、半分以上は関西からだということです。 平四郎 小林弘昌専務 「大阪から来た、京都から来たという話をよく聞いているので、本当に北九州のおすしのPRになっているかなと思う」 北九州は、周防灘、響灘、玄界灘に囲まれた魚介類の宝庫で、高級店から地場の回転ずしチェーンまでそろいます。そこで市は今年からすしの都・北九州としてPRして 北九州市観光課 大浦太九馬課長 「インフルエンサーのような方を招へいして北九州市のすしの魅力を発信するなど、すしと言えば北九州というイメージを国内外に発信して定着できるようなそういう取り組 みをしていきたい」 すしの都を発信する北九州ですが・・・。 すしと並んで外国人観光客に大人気の焼き肉も名物なのです!北九州市は今、観光客を招こうと「食」を前面に打ち出しています。 北九州市 武内和久市長 「本当においしいものがたくさんある「美食の街」としての魅力、これをしっかりとこれからも発信し、強化したい」 岳田秀昭 記者 「こちらの道路、通称・焼き肉通りと呼ばれています。その理由は、焼き肉店の多さ。 道路の反対側にも。この付近だけで、20近い焼き肉店があります」 小倉北区にはこの他にも焼き肉店が密集する地域があり、区全体では約70店が営業しています。 北九州DMO連絡会議 武雄由美子さん 「実は小倉北区は、人口あたりの焼き肉店の店舗数が福岡県で第1位。その魅力を発信しようとこの焼き肉通りマップをつくりました」 北九州市が2024年制作したマップ。「小倉焼肉通り」の17店の特長などが紹介されています。創業53年の焼き肉店。根元の柔らかいタンと山口県産のネギをふんだんに使っていて、ほとんどの客が注文するそうです。 武雄由美子さん 「タンが肉厚でかみ応えがありますよね」 JR小倉駅にある北九州市の観光案内所では、焼肉通りマップを配布。日本語以外に3カ国語を用意しています。北九州空港には、韓国語版が置かれていて、来日客が手にしていくそうです。ところで、北九州市にはどうして焼き肉店が多いのでしょう? 武雄由美子さん 「小倉駅から約2キロぐらいのところにある食肉センターですが、こちらで加工された肉が翌日には、市内に出荷されると言うことで、新鮮な肉やホルモンがすぐに安く食べられる環境にあるからなんです」 精肉処理は早さが重要です。出荷する場所と繁華街が近いこと、かつて北九州市内にあった炭鉱で働く人たちが英気を養うために、多く訪れたことから焼き肉店が増えていったと言われています。焼き肉を楽しんでもらうことで素通りだった旅行者の滞在につなげたいと考えています。 北九州市サービス産業政策課 熊丸雅也さん 「小倉にも滞在できる魅力的なコンテンツもそろっていますので、市外の方や国外インバウンドの方にもたくさん焼き肉を食べていただきたいと思っています」 王道グルメのすしと焼き肉で北九州にどこまで観光客が集まるか注目です。
テレQ(TVQ九州放送)