歌い手6人が復帰当時の名曲を披露した「歌の郷土史」コンサート＝3日、徳之島町文化会館

　鹿児島県奄美群島の日本復帰70周年を記念したコンサート「歌の郷土史」（ミュージックワイド主催）が3日、徳之島町文化会館で開かれた。復帰当時に本土や奄美群島で親しまれていた名曲を披露。聴衆約300人が懐かしのメロディーに耳を傾けながら先人たちを支えた名曲の魅力を堪能した。 　出演者は福山初美さん、吉岡由里さん、嶺なつきさん、小田まみさん、嶺勝己さん、雪山武宏さん。コンサートは2部構成で、第1部は小田さんの「リンゴの唄」でスタート。復帰前後に本土で流行した曲のほか、「島かげ」「夜明けぶね」など復帰前後に奄美群島で親しまれた曲を織り交ぜて歌う構成で全20曲を披露した。 　第2部は今年7月に3枚目のアルバムを発表した作詞家、利元一郎さんのCD発売を記念したステージ。歌い手6人が徳之島のご当地ソング7曲を熱唱し最後は出演者、会場総参加で「花の徳之島」を歌い上げた。 　主催者代表の指宿邦彦さんは「高度成長期に向かう明るく伸びやかな本土の流行歌と同時期の奄美群島の哀愁に満ちた歌を対比させることで奄美の苦難の時代を今一度振り返る機会にしたかった」と構成の意図を述べ、「今後もワイド節や徳之島小唄のように皆に親しまれる歌を応援していきたい」と話した。