高木豊氏

　広島は1月5日、オリックスにFA移籍した西川龍馬外野手の人的補償として日高暖己投手を獲得したと発表した。 　日高は富島高から22年ドラフト5位でオリックス入団。身長183センチから繰り出す伸びのある直球が持ち味で、ルーキーイヤーとなった2023シーズンはファームで12試合に登板して防御率3・15に終わっていた。まだ高卒1年目シーズンを終えたばかりということもあり線は細いが、今後体を鍛えていけば、確実にエース候補に浮上するとも見られていた。 　一方で一軍実績もなく、いわば「原石」ともいえる選手を獲得したことに球界内からも様々な考察の声が上がっている。現役時代は大洋（現DeNA）で活躍、引退後は日本代表コーチも務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は5日に「【速報】広島がFA西川龍馬の人的補償で日高暖己投手を獲得！！〝山本由伸2世〟の19歳右腕『即戦力ではなく将来性！！』オリックス福良GMにも直接聞いてみた！！」と題した動画を更新。今回の広島の選択について語っている。 　オリックスからドジャースにポスティングシステムを利用して入団が決まった無双エース、山本由伸をお手本にしたとされるテークバックを大きくとる特徴的なフォームで「由伸2世」ともいわれ、潜在能力の高さは球界内でも認められていた日高。 　高木氏はそんな日高に関して「若いし、素材的には素晴らしい。これを（広島が）取っていくかという驚きと、人的補償はそこを補うというような即戦力を考えると思うけど、即戦力ではなく成長過程の選手を取ったのは新しい」と話した。球界屈指の好打者である西川を欠くことで、穴を埋める意味でも打者を獲得するという見方もある中、先を見据えて、素材型の選手を獲得した広島のチーム戦略に関して「広島に先見の明というか、そういうのがあるんじゃないかと思うよね」と高く評価した。 　さらに高木氏はオリックス側の視点も明かした。今回の発表直後に旧知のオリックスの福良淳一GMに直電したとして、その内容に関して「台湾のウインターリーグに（日高を）派遣していて、期待はしていましたと。ただプロテクト28人の中で現状を守るのに必死で、そこまで手がいかなかったと無念さも感じさせたよね」と、才能豊かな19歳右腕を広島に指名されたことに悔しさをにじませる場面もあったとした。 　わずか在籍1年で他球団へ移籍という道をたどることになった日高に関しては「才能を評価されているということだから誇りに思っていいと思う。早いうちに出てきそうな気がするよね。頑張ってほしい」とエールを送ることも忘れなかった高木氏。 「由伸2世」の成長過程は今後も注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]