「イスラム国」対応で苦悩するアメリカ 本格介入はあるのか?
■国際的な「有志連合」
「イスラム国」を単独で抑えるのはリスクが高い中、オバマ政権にとっては有望なのは、国際的な「有志連合」で「イスラム国」を封じ込める選択肢です。実際に欧州でもテロがあったように、「イスラム国」は既に国際的な脅威として認識されています。 国際協調の第一弾が北大西洋条約機構(NATO)諸国との連携であり、9月5日に開かれたNATO首脳会議では「イスラム国」に対抗する有志国連合を発足させていく方針が固まっています。資金源を断つための情報交換や、「イスラム国」と戦うイラク治安部隊支援体制強化などで今後、協力していくことが確認されています。 ただ、それでもアメリカのリーダーシップは不可欠であるのはいうまでもありません。アルカイダに代わるテロリストの筆頭に「イスラム国」が浮上しつつある中、オバマ政権の次の一手がどうなるのかに世界が注視しています。 (前嶋和弘/上智大学総合グローバル学部教授)