暴落時の最大損失は?「S&P500と全世界株式ほぼ100年検証」世界大恐慌、石油ショック、ブラックマンデー…
運用中には上昇も下落もある。下落したとき平常心でいるには、どれくらい下がる可能性があるかを知っておくことも大切だ。そこで米国の株価指数・S&P500のほぼ100年チャートから、今後想定される最大下落率を検証。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】 【図2点】歴代の株価「ほぼ100年チャート」が分かる図はこちら! 2024年8月5日、日経平均株価は前営業日比4451円安という史上最悪の下落幅を記録した。 しかし、翌8月6日には前日比3217円高と、同じく史上最大の上げ幅でリバウンド上昇した。 8月5日の急落時、テレビやネットニュースには「1987年10月のブラックマンデー以上の大暴落」という見出しが躍り、SNSでは不安や恐怖をあおる書き込みがあふれた。 「なんか大変そうだよね。NISAやってなくてよかった~」と、知人から話しかけられた新NISAビギナーもいたかもしれない。 楽天証券資産づくり推進部の山口佳子さんは語る。 「8月5日の暴落時は『前営業日比4451円安』や『ブラックマンデー以来の下落幅』といった数字や言葉が独り歩きしている印象を受けました。 それぞれの数字も言葉も間違いではありません。ただ、日経平均株価は7月11日の取引時間中に史上最高値の4万2426円まで上昇しています。 この水準まで上がったところから落ちたわけですから『幅』が大きくなるのは自然なことです」 ■率で12.4%下落 同じ下落幅(額)でも日経平均株価が1万円のときの4451円安と4万円のときの4451円安では深刻度がまるで違う。 「下落『率』で見ると、8月5日の暴落は前営業日比12.4%の下落で、歴代2位でした。 率でも確かに大きいですが、個別株なら1日でこれぐらい下がることもあります。指数でも、もう少し長い時間をかけてこれぐらい下がることはあります」 個別株でも投資信託でも「株式」に関する金融商品で10%以上の上昇、下落はありうる。 ただ、新NISAをはじめたばかりの初心者は報道やSNSのあおりに怖くなったかもしれない。つみたてをやめたり、売却したりといったケースもごく少数ながらあった。