<るろ剣>左之助 vs 斎藤、ハンデ戦でも明らかな実力差に左之助は? 「左之助の想いに涙出てくる」「斎藤さんツンデレすぎるw」と反響
幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(CV:斉藤壮馬)が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大人気作が2023年に新アニメとして復活。2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(毎週木曜深夜1:05-ほか ※初回のみ3日深夜0:55-、フジテレビほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)が連続2クールで放送。第25話(第二期1話目)は、一人で京都へと旅立った剣心と、彼に置いていかれてしまった者たちの心情を描いた「京都へ」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】剣心から京都へ行くことを告げられ、布団をかぶり塞ぎ込む薫 ■ひとりで旅立った剣心の覚悟 明治政府への復讐を目論む志々雄真実(CV:古川慎)との戦いを決意し、ひとり神谷道場を去った剣心。同じく志々雄討伐の任を受けた斎藤一(CV:日野聡)は剣心を船旅に誘うも、無関係の人間が戦いに巻き込まれる可能性を避けるため、剣心はひとり東海道を歩く。一方東京では、剣心から別れを告げられた神谷薫(CV:高橋李依)がショックで塞ぎ込んでしまう。相楽左之助(CV:八代拓)は、黙って置いていかれたことに腹を立て、自分もすぐに剣心の後を追おうと、月岡津南(CV:梅原裕一郎)から京都までの旅費を工面してもらうのだった。 冒頭、剣心と斎藤との会話では、もう二度と人斬り抜刀斎には戻らないという剣心の強い気持ちが感じられる。第一期での斎藤との戦いでは図らずも抜刀斎となってしまい、自らに課した不殺の掟を破ってしまうところだっただけに、剣心自身にも己に対して強い戒めの気持ちがあるのだろう。とは言え、剣心が抱える問題はそう簡単ではない。相手が強ければ強いほど、剣心のままで勝つことはできないため、無意識に抜刀斎となってしまうからだ。今後、斎藤レベルの敵が出てこないとは限らないだけに、やはり一抹の不安は残る。剣心はこの先、抜刀斎になることなく志々雄の元までたどり着けるのかという点にも注目していきたい。 ■頑固でタフすぎな左之助に斎藤も根負け!? 塞ぎ込んでいる薫のことを相談するため、左之助と合流した明神弥彦(CV:小市眞琴)だったが、そこへ斎藤が現れる。剣心を追って京都へ向かおうとするふたりに対し、斎藤は弱さを理由に「お前らの出る幕じゃない。大人しくここにいろ」と諭す。これにキレた左之助は斎藤に殴りかかるも、完治していない肩への攻撃を喰らい一撃で倒されてしまう。なんとか根性で立ち上がり啖呵を切る左之助だが、斎藤は格の違いを見せつけるため、あえて刀を捨て、拳の勝負を受けて立つ。こうして始まった第2ラウンドは、初めての連打を見せた左之助が攻め立てるが、その攻撃をすべてガードした斎藤が逆に連打を浴びせ、左之助は再びダウンしてしまう。なおも立ち上がる左之助に対し、斎藤は必殺技である牙突の無刀バージョンでトドメを刺そうとするが、これを額で受け切った左之助が一撃を返すことに成功。依然として斎藤が優勢ではあったものの、あまりに頑固な左之助に呆れ、「京都に来たくば勝手に行け」と言い残してその場を去っていく。拳を交えたことで斎藤との実力差をまざまざと体感した左之助は、京都への道中でより強くなることを誓い、弥彦たちを残して一足先に旅立つのだった。 左之助と斎藤のバトルは、左之助の規格外のタフさが発揮された戦いとなった。倒したと思ってもすぐに復活したり、トドメの必殺技を受けても耐えきってみせるなど、その頑丈さにはほとんど表情を変えない斎藤が驚くほど。剣心や斎藤といった超一流とのあいだにはまだまだ大きな実力差はあるものの、その才能の片鱗を示したと言える。表向きには左之助の頑固さに根負けして京都行きを許した斎藤だが、志々雄との戦いで戦力になるかもしれないという期待もあったように思える。去り際、左之助の防御のお粗末さを指摘したのは、まさにそんな気持ちの表れかもしれない。この戦いにはSNSでも「左之助の想いに涙出てくる」「斎藤さんツンデレすぎるw」などの声があがっていた。またこのバトルシーンは、拳のみでの戦いとは思えないほどの迫力で、強力だが単調な左之助の攻撃と、ボクシング選手のように多彩で華麗な斎藤の攻撃とで、とても丁寧に描き分けられている。そのうえで、牙突(無刀)などの必殺技シーンではしっかりとした「決めゴマ」の魅力があるなど、アクション作画と演出はさらにグレードアップしている。 ■恵と弥彦の叱咤により、ようやく薫が復活! 二日間ものあいだ、何も食べずに布団からも出てこない薫。そんな彼女を心配した三条燕(CV:大野柚布子)と関原妙(CV:能登麻美子)が声をかけるも、薫はほとんど反応しない。すっかり心を閉ざしてしまった薫だったが、そこに高荷恵(CV:大西沙織)が現れ「剣さんにフラれたタヌキ娘を大笑いしに来たのよ」と挑発。この言葉をきっかけに、薫と恵は自分の心をぶつけ合い、最後は「お前は剣心に会いたくないのか!」という弥彦の言葉に「私、やっぱり……剣心に会いたいよ」と号泣する。こうして、ようやく自分の素直な気持ちに気づいた薫は、弥彦とともに京都へと旅立つことを決意するのだった。 薫と恵の会話シーンでは、恵というキャラクターの魅力が爆発している。剣心に会いたいという気持ちを抑え、医者としてのプライドや生き様を貫き通す覚悟は見事で、彼女の意志の強さを感じさせてくれる。さらには自分と同じく剣心に想いを寄せている薫に対して発破をかけ、自らは人知れずに涙を流すなど、なんとも泣かせる立ち回りを見せてくれた。これにはSNSでも「恵さん芯があって凄いよね」「恵さんの方が1枚上手だね」などの声があがっていた。またここでは弥彦の優しさや頼もしさも光っており、元気を取り戻した薫を含め、主要キャラクター全員の魅力が示された回となった。ちなみに、第二期からはギャグシーンの表現がリアル寄りからデフォルメへと大きく変化しており、シリアスとコメディの境目がよりハッキリしたのも印象的だ。話数が積み上がっていくことで、視聴感がどのように変わってくるのかにも注目したいところだ。さて次回第26話(第二期2話目)「明治東海道中」は10月10日(木)放送予定。期待して待とう! ◆文/岡本大介