日本バスケ「15歳以下のゾーンディフェンス禁止」 指導者はどう考える?
マンツーマンが身につけばゾーンもできる
本来、ゾーンディフェンスは相手の攻めのペースを乱す手段として有効に利用されています。長澤選手はプレーヤーとしての視点から、攻めていても相手がマンツーマンからゾーンにディフェンスを変えるチェンジングをしてくると、「どうしよう」と戸惑うことがあるといいます。 「ゾーンディフェンスは、有効なディフェンスのひとつですが『こうなった時にどうする』という細かい約束があり、短時間で出来る守り方ではありません。基礎が大切な小・中学生は個人スキルを上げることに時間をかけてほしいと思っています」(長澤選手) 実際、ゾーンディフェンスを使用した小学生の試合では、ただ立っているだけで守っているような気持になってしまい、細かいところまで考えた動きは感じられないと金本コーチも話します。
今回の方針について、金本コーチは日本のバスケットという大きなくくりを見た時にいい動きではないかと話します。「個人のスキルが上がるのは、本人も楽しいし、見ている人も楽しいと思います。日本のバスケットが盛り上がっていくと代表クラスのプレーも変わってくると思います。一方で、高校で初めてゾーンを知るというデメリットもあると思います。しかし、小・中学生で基本的なマンツーマンディフェンスや、その基本的な攻め方、スペーシングを教えていれば、ゾーンディフェンスにも対応できると思っています。そういった意味で、今後は指導者の力が大きく影響してくると思います」。 長澤選手はプレーする側として、こうしたルール変更に対するプレーヤーの心構えを話してくれました。「シュートクロックが30秒から24秒になったり、3ポイントのラインが遠くなるなど、僕らの世代もルールが変わりましたが、これは国際基準により近くするためだと思います。選手としては決まってしまったものはそこにアジャストするしかないので、今回のゾーン禁止の決定も、やるしかないと思っています」。 ※シュートクロックとは、1度の攻撃で許される時間。この時間内にシュートを打たなければならない