大阪で移住促進フェア 会場で聞いた地方移住を探る家族の事情とは
「都会は公園も取り合い状態」だからいなかへ
5歳と1歳の姉妹を伴って来場した大阪市の30代の母親Cさん。「都会にも公園がありますが、人が多い割に狭くて取り合い状態。子どもたちには豊かな自然の中で競争せずにのびのびと育ってほしい」と、いなかののびのびライフに期待を示す。 夫の主導で北陸への移住計画を進めてきたが、「最近振り出しに戻りまして」と残念がる。「移住先としては、夫は関西より北の地域がいいようです。長女が来春小学校へ入学するので、それまでには移住先を決めたい。あまり時間がないので忙しくなりそう」と、表情を引き締めていた。 熊本県のブースで熱心に相談していた30代男性Dさん。2歳と0歳の幼い姉妹を伴い、妻と家族4人で参加した。Dさんは熊本出身で、現在は大阪人。「とくに都会が嫌いというわけではありませんが、今後の人生を考えると、いなか暮らしもいいかなと思い始めまして。とりあえず移住について情報を集めてみようかという状態」と、移住初心者の率直な心境を明かす。今のところ移住するかどうかを含めて、移住の時期も場所も白紙だ。 熊本の実家には祖母と両親が暮らす。子どもたちには「ひいばあちゃんち」だ。Dさんは「熊本に移り住むにしても熊本の近況を知らなきゃいけないと考え、きょうはいろいろ教えてもらいました」と、手応えをつかんだ様子。妻も子どもたちをあやしながら「熊本なら知り合いがいるから生活しやすいかなと思います」と理解を示す。Dさんの仕事は営業職。「移住先で新しい職場が見つかればいいのですが」と、仕事探しを課題のひとつに挙げていた。 同フェアは大阪ふるさと暮らし情報センター(大阪市中央区)が主催。移住促進イベントでは関西最大規模で、北海道から沖縄まで約200地域が出店。子育て世代を含めた移住希望者と相談員が熱心にやりとりを交わしていた。同センターには専門相談員が常駐し、日ごろから移住に関する多様な相談に応じている。詳しくは同センターの公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)