大阪で移住促進フェア 会場で聞いた地方移住を探る家族の事情とは
「子どもたちを自然が豊かないなかで育てたい」。住み慣れた都会を離れ、地方への移住を模索する子育て世代の動きが弾みを増す。大阪市内で開催された関西最大規模の移住促進イベント「おいでや! いなか暮らしフェア」。会場で地方移住の可能性を探る家族連れに話を聞いた。 外資IT職から「味噌づくりの伝承者」に 熊本に移住した夫妻の決断
多少の不便は覚悟で自然環境を優先
大阪府在住の40代女性Aさんは、17歳の二男、15歳の長女と家族3人で来場。Aさんは大阪生まれでお盆休みに帰省できるようないなかがなく、若いころからいなか暮らしに憧れていたという。すでに社会人になっている20代の長男を除き、夫と子どもふたりの家族4人で地方移住を計画している。 Aさんは「いなかといっても、大阪に近くて便利な和歌山か淡路島がいい。転居先の住まいを探す活動を始めており、現地の不動産屋さんに家屋を見せてもらったり。自然が好きな二男もいなか暮らしを楽しみにしています」と話す。移住時期に関しては「今中3の長女が高校を卒業する時期を目標に」と、3年後を見据えて準備に余念がない。
我が子の幸せファーストで移住に臨む
京都市から妻と訪れた30代男性Bさん。3歳、1歳の姉妹に気を配りながらブースを巡回して情報収集に努めていた。「子どもたちのために自然豊かな環境を」という将来設計が夫婦間で徐々に醸成され、機会を見つけては移住促進イベントに参加しているという。Bさんが京都市内から滋賀県草津市の職場へ通勤しているため、滋賀県内を前提に移住の準備を進めている。 都会暮らしと比べて、多少の不便は織り込み済み。できれば近くに鉄道の駅か高速道路のインターチェンジがあればいい。妻はクルマを運転しないが、普通免許は取得しているので、生活上必要になったら運転する心構えはできているという。 Bさんは「長女が小学校に入るまでに移住したい。気になるのは学校でしょうか。自然に恵まれた地域の小学校に通い始めても、生徒数が少なくて近い将来統廃合されるようではかわいそう。しっかり情報を集めます」と、我が子の幸せファーストで移住に臨む。