【まとめ記事】大学のキャンパス移転ラッシュ 立地によって学生生活はどう変わる?
3.プロ野球場のそばに医療大
キャンパス移転先の環境を生かして、学生の学びを深めることが期待される例もあります。例えば、北海道医療大学が2028年に移転を予定しているのは、プロ野球の北海道日本ハムファイターズが本拠地としている、北海道北広島市のエスコンフィールドを中核とする複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」です。野球場を中心にエンタメからグルメまでを楽しめる施設で、23年のオープン以来、北海道の新しい観光名所の一つになっています。 ここにキャンパスを移転することで、医療大学の学生がドーピング問題や理学療法など、専門家の技術や研究内容をスポーツ施設内で間近で見られる機会も増えることが期待されています。
4.増える医学部のキャンパス移転
医学部のキャンパスを移転する動きが、全国各地で増えています。例えば近畿大学は、25年11月に医学部と病院の移転を予定しています。新キャンパス設置にあたって重視したのは、地域住民とのつながりです。敷地の外周には塀やフェンスなど、敷地の内と外を仕切るようなものがなく、地域住民の方がいつでも自由に出入りできる設計です。 地域とのつながりについて、近畿大学関係者はこう話します。 「医師を目指す学生にとって、さまざまな人と触れ合う経験は大事なものです。キャンパス内にも地域住民の方がいることで、学生は自然な形でコミュニケーションが取れます。学園祭などのイベントや講演会などでは、地域住民とより深く接する機会を設ける予定です。学生には地域と一体となって、病院を支える人材になってほしいと思います」
5.【体験談】「めっちゃ山の上」の環境が心地よい
都会から大きく離れた地方にキャンパスがありながら、都心部から志願者を集め続ける大学があります。その一つが、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)です。 アジア太平洋学部 3年の田隅千晶さんは、入学前は出身地の神戸市とはまったく異なる「陸の孤島」と呼ばれるようなキャンパスの周辺環境に不安を感じました。しかし、その環境が徐々に心地よいものに変わっていき、現在はオープンキャンパスの企画・運営に携わるなど、「APUが大好き」と語るまでになりました。どのような変化があったのでしょうか。