大河俳優・柄本佑、「独特の存在感と演技力」の根幹 意外なルーティンも?自己研鑽でしていること
NHK大河ドラマ「光る君へ」で、藤原道長役を演じた柄本佑さん。準備期間を含め約2年にわたり関わってきた作品について、今何を思うのか。 【写真を見る】多彩な魅力を放つ柄本佑さん。6、7年前からボクシングもやっているという オンエアは残すところあと1話だが、ひと足先に道長役を演じて得たものや自分に起きた変化、また存在感ある演技を支える意外なルーティンに迫った。 ■「四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧」 「光る君へ」の撮影を終えた柄本佑さんは、現在の心境について、「不思議な感じがする」と語る。
「撮影期間は約1年半。基本的には月曜日はリハ、火曜から金曜までは撮影、土日は休みという生活リズムでやってきました。それが急になくなると、何だかフワフワしますね。準備期間を含めて、1つの作品に2年以上関わったのは初めてのことでした。 主演の吉高さんの人柄もあって、本当に楽しくてギスギスすることのない、笑顔のあふれる現場でした。それが終わってしまった寂しさはありますね」 自分にとってどんな作品になるのか、まだ客観的に見れていないのが正直なところだという。ただ、40歳を前にして、作品や演技に対する価値観に変化もあるようだ。
【写真】多彩な魅力を放つ柄本佑さん。自身初の著書も発売される 「長い時間をかけて作り上げられた作品というのは、何がしかを残していくのだろうなと思います。大河が始まる前に、演技の良し悪しという世界観からは脱却していかないとならないと考えていたのですが、『光る君へ』はその始まりの現場。ドラマが終わっても、自分の中で作品が息づいていくことで、もう1つ演じる楽しみが見いだせる気がします」 柄本さんは今作で、藤原道長の10代から60代までを演じた。そのことを通して、気づいたことがあるという。
「作品の中で歳を重ねていったことで、『自分はまだまだ若いんだな』と痛烈に感じました。『四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧』と言いますが、本当にそうなんだと。今作では老けメイクはあまりせず、煌びやかで若々しい世界観を保った演出で作られました。でも、やはり演じている側としては、『この話とこの話の間で4年くらい経っているな』とか、後半では50代になっているとか、いろいろと考えるわけです。 先輩方の演技を見たりもして、ああしよう、こうしようと考えていざやってみると、役柄の年齢やセリフと、自分自身の年齢や肉体がフィットしない感じがありました。未熟というのとはまた違うのですが、『若いのはどうしようもないんだな』と。