第94回選抜高校野球 挑め、東洋大姫路 14年「やっと甲子園」(その1) /兵庫
<センバツ2022> 第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が28日に開かれ、県内から東洋大姫路(大森茂樹校長)が14年ぶり8回目の出場を決めた。吉報にナインは万歳して喜び、3月末で退任する藤田明彦監督(64)と「甲子園で一日でも長く野球をしよう」と誓い合った。組み合わせ抽選会は3月4日にあり、大会は18日に西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【後藤奈緒、阿部浩之】 ◇監督とラスト 「謹んでありがたくお受けいたします」 午後3時32分、大会本部からの電話が鳴り、大森茂樹校長は笑顔で答えた。野球部の専用グラウンドまで移動した大森校長は、整列する選手たちを前に「おめでとうございます。心、技術、体、精神を精進して大会に臨んでください」と激励した。 その後、バックネットにつるされた野球部のファンが作成した「祝 8度目 センバツ出場」と書かれたくす玉を割って祝った。 続いて、藤田監督が「この日を14年待った。やっと甲子園に帰れる。よくやってくれた。新しい歴史のページに勝利の文字を書こう」と呼びかけると、マスク姿の選手たちは笑顔で跳びはねたり、万歳をしたりして喜んだ。グラウンドに集まった保護者や地元ファンらは拍手で出場をたたえた。 退任まで残り2カ月の藤田監督は「『練習はうそをつかない』と指導してきた。中身のある練習を続け、開幕の日を迎えたい」と意気込み、岡部虎尉主将(2年)は「ずっと目指していた甲子園に出場できてうれしい。強豪を相手に自分たちらしく粘り強く競り勝ちたい」と話した。秋季大会は登板した8試合中6試合で完投したエースの森健人投手(同)は「とても楽しみ。冬の間に直球のスピードや変化球の精度を向上させて、大会でトップの選手になりたい」と活躍を誓った。 ◇学校中が「やったー!」号外配布 東洋大姫路のセンバツ出場が決まると、学校では校舎外で毎日新聞の決定号外が配布され、下校を始めた生徒たちが次々と手に取って喜びを部員たちと共有していた。 ダンス部の大塚彩音(あやね)さん(2年)は「出場する賀川新太選手は同じクラスでともに委員長をしていることもあり、とてもうれしい。ダンス部も甲子園で応援できたらうれしい」と期待していた。寺中柊哉(しゅうや)さん(同)は「甲子園は今まで身近に感じるものではなかっただけにうれしい。新型コロナウイルスの問題があるが、甲子園で応援できたら」と願っていた。【阿部浩之】 〔神戸版〕