米ウィスコンシン州の学校銃乱射事件、容疑者は15歳の女子生徒
ウィスコンシン州マディソンにある私立クリスチャン・スクールで米国時間12月16日に発生した銃撃事件について、警察当局は、15歳の女子生徒が少なくとも2人を殺害し、6人を負傷させた後、自ら銃で命を絶ったと発表した。 マディソン警察署長ショーン・バーンズによれば、容疑者のナタリー・ルプナウ(通称サマンサ)は、事件が起きたアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールの生徒だった。容疑者は、別の生徒1名と教師1名を射殺し、さらに6人を負傷させた。そのうち2人の生徒は生命の危機にある重傷を負い、依然として危篤状態にあるという。 ルプナウは病院へ搬送中に死亡が確認された。警察は、彼女が自らに撃ち込んだ銃弾による自殺とみている。 バーンズ署長は深夜の記者会見で、2年生(小学2年生相当)の児童が911番に通報したことを明らかにし、「この事実をしばらくじっくり考えたいと思います」と述べた。 警察は使用された拳銃を押収し、アルコール・タバコ・火器および爆発物取締局(ATF)と協力して、容疑者がどのようにして武器を入手したのか調査している。 警察は、容疑者の動機をまだ特定できていないが、家族への聞き取りを行っている。バーンズ署長によれば、容疑者の父親は捜査に協力しており、父親が事前に何を知っていたのか、あるいは知らなかったのかが注目されている。警察はマディソン市内にあるルプナウの自宅も捜索した。捜査当局は、容疑者に関連するとされるオンライン上の声明文(マニフェスト)が存在するとの情報を把握しているが、その真偽は未確認である。バーンズ署長は、「その投稿があり、投稿者が被害者と関係があると主張していることは承知しています」と述べ、この情報は連邦捜査局(FBI)に共有済みだと明らかにした。 ウィスコンシン州知事トニー・エバーズは犠牲者への哀悼を表明し、声明で「今朝、マディソンのアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールで起きた学校銃撃事件による惨状と深い悲しみを言葉で表すことはできません。父として、祖父として、そして知事として、子どもや教育者がある朝学校に出かけ、そのまま二度と家へ戻らないなどという状況は想像することすらできません。こんなことは決して起きるべきではありませんし、私がこれを仕方のない現実として諦めたり、変える努力をやめたりすることは決してありません」と述べた。 2024年にこれまで記録された学校銃撃事件の件数(K-12 School Shooting Databaseによる)は323件となる。これは同データベースの年次記録として、2023年の349件に次いで2番目に多い数だ。 なお、2024年に同データベースで記録された学校銃撃事件のうち、女性が実行犯だったケースはわずか9件しか確認されていない。
Siladitya Ray