山川穂高の加入は“李大浩・デスパイネ級”「20本塁打カルテット」が期待されるソフトバンク打線
埼玉西武ライオンズから福岡ソフトバンクホークスにFAで移籍した山川穂高にとって、今シーズンは背水の陣となる。自身の不祥事に端を発して、所属球団はもとより自身のキャリアにも暗い影を落としてしまったからだ。明るいキャラクターも持ち味の人気選手だっただけに、残念でならない。
ただ、素行面はさておき、いまなお球界トップクラスの長距離砲であるのは間違いない。辻発彦氏が監督として率いた埼玉西武を連覇に導いた時には、2年連続で40本塁打以上(2018年47本、2019年43本)を記録し、文句なしの本塁打王に輝き、打点も120打点以上(2018年124打点、2019年120打点)記録。4番打者として圧倒的な成績を残した。 2020年から2021年は、一時期低迷していたが、2022年は持ち直して41本塁打を放ち、長打率.578もリーグトップを記録。打点も90打点を挙げて打点王にも輝いた。40本塁打を3度記録したのは、中村剛也と並んで現役トップの成績だ。 国際大会では、2023年のWBCで準決勝のメキシコ戦で貴重な犠牲フライを放ち、逆転勝利に貢献している。これだけをみても山川の実績は充分なのがわかる。だからこそ、移籍先のソフトバンクファンも複雑な心境ではないのだろうか……。
山川加入でソフトバンク打線はどうなる?
2023年のパリーグ本塁打王は、同僚になる近藤健介と浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)、グレゴリー・ポランコ(千葉ロッテマリーンズ)の3選手だった。しかし、3選手とも26本塁打で、なおかつ20本塁打以上が5選手と決して“レベルが高いタイトル争い”とは言い難い結果になった。 実際のところ、2020年や2021年の山川は成績が低迷していたシーズンだったが、いずれも24本塁打。これをみても、レギュラー定着後は不調のシーズンでも、25本塁打前後を記録しており、打球を飛ばす力はずば抜けている。 長打力不足を露呈したソフトバンクにとって、山川の補強はかつての李大浩やアルフレド・デスパイネのように、大きな起爆剤になりそうである。さらに、トレードでアダム・ウォーカーも獲得し、打線の火力は申し分ないレベルに達した。柳田、近藤、山川、ウォーカーで20本塁打以上でカルテットを組む可能性もある。