生成AIの利用目的「情報収集」が40.6%でトップ。…2番目に多かった答えは?【経営者・管理職へのアンケート調査】
企業向けクラウドシステムなどを手掛けるFIXERが10月に実施した日本企業の経営者や管理職を対象としたアンケート調査によると、生成AIを「利用している」との回答は3割に達した。業務に利用している人は約2割、私的な目的だけで利用している人は約1割だった。利用目的では「情報収集・調査」との回答が最も多かった。生成AIは2022年以降、簡単に使える高性能のサービスが登場しており、今後も企業の間で活用する動きが強まりそうだ。以下、アンケート調査の結果を詳しく見ていく。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
生成AIを「業務で利用している」は2割超
FIXERは企業向けクラウドシステムのほか、安全性を高め、使いやすくした生成AI「GaiXer(ガイザー)」を提供している。調査はFIXERが全国の従業員300人以上の企業を対象に10月17~20日に実施し、800件の回答を得た。情報・通信のほか、金融・保険、不動産、流通・小売りなどの企業が対象となった。 生成AIは、人間の指示に基づき文章や画像を自動で生成する人工知能(AI)。企業は生産性向上にむけ導入を進めている。ボストン・コンサルティング・グループは生成AIの市場規模が27年に世界で1,210米億ドル(約17兆円)に達する可能性があると予測している。 アンケートで「生成AIを利用しているか」と聞いたところ、「業務で利用している」は21.9%に達した。新しい技術にもかかわらず、中堅以上の企業ではすでに一定数が活用に動き始めていることがわかった。「私用では利用しているが業務では利用していない」は8.8%だった。「私用でも業務でも利用していない」は69.8%だった。
「生成AIを文章関連で利用する」との回答が多数
「生成AIを具体的にどんな業務で利用しているか」との質問に対しては「情報収集、調査」との回答が40.6%でトップだった(複数回答)。生成AIを検索サービスのような観点で利用している人も少なくないようだ。 次に多かった答えは「文章のチェック・構成」で32.6%だった。「文章の要約」(28.6%)、「企画書の作成」(27.4%)、「稟議書の作成」(24%)、「稟議書、企画書以外の文書の作成」(20.6%)なども多数の回答を集めた。複数回答ではあるが、合計すると130%以上が文章関連だった。利用者の大半が生成AIに対して、主に文章を作成する能力を期待していることがわかる。 このほか、「アイデア出し」との回答も26.3%に達した。生成AIについては、「人間では気づかない視点を指摘してくれるケースがある」との見方もあり、新たなアイデアに期待する向きもあるようだ。「エクセルの関数やコードの生成」との回答は13.7%あった。一方で「動画・画像の生成」は6.3%にとどまった。生成AIは現時点では、画像や動画よりも文章の生成のイメージが強いとみられる。
岡安 英俊
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