【解説】「時間差」熱中症に気をつけて! プールでも熱中症に 中枢神経や臓器に後遺症が出ることも…
■油断大敵! プールでも熱中症になる
さらに熱中症はプールの中でも警戒が必要です。今月7日、千葉市内の小学校で、プールを利用した後の児童11人が軽い熱中症となり、6人が病院に搬送されました。 日本スポーツ振興センターによると、小中学校のプールで発生した熱中症は2017年度までの5年間で179件ありました。状況別では、一番多かったのが「水泳中」の92件です。ほかにもプールサイドで60件、更衣室で9件、活動終了後に18件と発生しているケースもあります。 「水の中は涼しいから」と油断しがちですが、それが“落とし穴”だといいます。
■プールという落とし穴… 体温が上がりやすく熱が体内にこもりがち
谷口医師によると、水中で運動すると陸上以上に運動量が増え、むしろ体温が上がりやすくなります。陸上なら汗をかいて蒸発させることで体温を下げられますが、水中だと汗が蒸発せず、熱が体内にこもってしまうといいます。屋外のプールでは直射日光だけではなく、水面などから熱が跳ね返り、水の中なのでのどの渇きにも気づきにくくなります。 そのため、30分から1時間に1回は木陰などで休憩し、きちんと水分補給することが大切です。冷たいぬれタオルを首筋にかけると、効果的に体の熱をとることができるそうです。 プールや海で遊んでいると30分や1時間はあっという間に過ぎるので、特に子どもに対しては、大人がタイマーをかけてでも声をかけるなど、気をつけたいものです。
■熱中症は“くせ”になる… 後遺症が続く可能性も 予防対策が大事
重い熱中症になると、後遺症が続く可能性もあります。 谷口医師によると、熱中症の後遺症は、脳などの中枢神経障害、けん怠感、めまい、頭痛などが長期間続く場合があります。ひどくなると臓器に障害が出て透析が必要になる人もいるそうです。そして、熱中症の怖さは「一度なってしまったら繰り返す人も多い」ことです。 熱中症は、なってから「こんなに大変なんだ」と思うほど、症状がつらいといいます。熱中症にならないよう、エアコンや休憩、水分補給などさまざまな対策をとりましょう。 ◇ 18日、松本総務大臣は「熱中症による救急搬送者数が7月9日までの1週間で3964人」と、「例年に比べて大変多い状況」と話しました。 もはや「災害級」ともいわれる暑さが続いています。日中の暑さで今晩、熱中症の症状が出る可能性もあります。エアコンを使って水分補給を心がけましょう。 (2023年7月18日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)