現役ドラフトでチャンスをつかんだ圧倒的スケール感のニュースター!! 日本ハム・水谷 瞬は本物か?
■〝新庄流〟を学び日本屈指の両翼へ まさに破竹の勢いの水谷だが、この好調ぶりは一過性ではなく、7月以降も続くのだろうか? 「交流戦が出来すぎだったのも否めませんが、高低もコースも苦にせず、コンパクトな回転で対応できる柔軟性が水谷の魅力。 多くの日本人バッターは反動をつけて打つスイングのせいで、スランプに陥ると長引いてしまいますが、水谷はタイプが違うので、崩れにくい上に不調になっても長引かないタイプではないかなと思います」 改善すべき点や今後の課題はあるのだろうか? 「ソフトバンク時代からフォロースルーが小さめなのが気になっています。以前よりもだいぶ良くなってきたとはいえ、もっと大きなスイングを心がけるといいと思います」 また、ソフトバンクで出場機会を得られなかった課題のひとつである打撃以外の面についても、今後不動のレギュラーになる上では伸ばしていきたいポイントといえる。 「今はレフトを守っていますが、試合終盤に守備固めを出されるケースもあり、これが現状の守備力といえます。打席数を増やすためにも代えられない守備力は身につけたい。 新庄監督の経験と技術を学べば、万波と共に日本屈指の両翼になれる可能性は十分ある。打率を残せる水谷と長打力のある万波、と打撃の特徴も異なるので、いいコンビになりそうです」 この万波との強力コンビが不動のものになれば、必然的に日本ハムのチーム力向上にもつながってくる。 「広島のリーグ3連覇を牽引した存在といえば、3番センター丸佳浩と4番ライト鈴木誠也の強力な外野コンビ。水谷も脚力的には松本剛に代わってセンターを務める身体能力はある。丸・鈴木に匹敵する存在になってほしいです」 将来的に目指してほしい選手は誰なのか? 「私は2021年の段階で『ブラディミール・ゲレーロのようなスケールの大きな打者になってほしい』と言及していましたが、究極的な理想像は変わりません」 エンゼルス時代の大谷翔平と本塁打王争いをしたことでもおなじみのブラディミール・ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の父親で、ドミニカ共和国出身の野手で史上初めてアメリカ野球殿堂入りを果たした人物だ。 「ゲレーロは、今の水谷に和田一浩さん(元中日など)のような要素を加えた選手。バットを長く使えるのに、コンパクトなスイングができました。 もちろん、ゲレーロは究極的な理想ですが、水谷もコンパクトなスイングで打率を残せるのに、本塁打も打てるのが魅力。打率.330、20本塁打を目指してほしいです」 就任時、「スターをつくる」と語っていた新庄監督の思惑どおり、新たなスター誕生となるのか? 最大瞬間風速の強さだけでなく、息の長い活躍をぜひとも期待したい。 文/オグマナオト 写真/時事通信社