画家目指す若者の登竜門「佐藤太清賞」 京都共栄高の立花純玲さんが最優秀賞に 16日から巡回展
画家をめざす若者らの登竜門となっている「第24回福知山市佐藤太清賞公募美術展」の入賞、入選作品が決まった。絵画と日本画の2部門で、北海道から九州までの18都道府県の高校、大学生らから計137点が寄せられた。市内からは絵画の部で、京都共栄学園高校通信制課程3年の立花純玲さん(19)=兵庫県豊岡市=の作品が最優秀の佐藤太清賞に輝いた。このほか同部では共栄高校の生徒3人が入選した。 市と市佐藤太清記念美術館主催。両丹日日新聞社など後援。市出身の日本画家で、文化勲章を受章した故・佐藤太清画伯が後進の育成に力を注いだ遺志を受け継ぎ、毎年実施している。 今回は絵画の部に67点、日本画の部に70点の応募があった。美術評論家の大矢鞆音さんら5人が審査し、佐藤太清賞4点(絵画3点、日本画1点)、特選12点、入選54点を決めた。
佐藤太清賞は絵画が立花さんの「小道の探索」▽北嵯峨高校2年、宮島かなえさん(16)の「Day by Day」▽女子美術大学付属高校3年、河野優月さん(18)の「いい人」。日本画は京都芸術大学大学院修了、奥野久美子さん(25)の「混迷」が選ばれた。
立花さんの作品は、自宅の周囲の風景をモチーフに、小道や小川、古い建物などを描写。全体的に手入れされていないありのままの姿を表現した。作品は通信制課程の美術講座で制作。6月から描き始め、11月中ごろに完成させた。 「緑が多い風景なので、単色にならないように、さまざまな緑色で、鮮やかに描きました」と言う立花さん。入賞を大変喜び、「佐藤太清賞受賞を機に、これからも自分の好きなものを描いていきたい」と話している。
入賞、入選作品の巡回展は16日から20日まで中ノの市厚生会館で開催。そのあと3月16日まで、横浜、東京、京都、名古屋の各会場で開かれる。入場無料。また、3月18日まで市立図書館中央館などで、受賞作のパネル展示をする。表彰式は1月18日に厚生会館である。
絵画の部で入選した共栄高のみなさんは次の通り。 西川和里(2年)「ともだち」▽加芝美和(同)「祖母のぬくもり」▽塩見遙翔(1年)「愛猫のすべて」