警察も「思いもよらないもの」窃盗被害相次ぐ 1000円~100万円相当まで 背景に“建築資材の高騰”
熊本放送
建築資材が高騰する中、熊本県内で鉄板や鋼材など「金属」を狙った窃盗事件が相次いでいます。被害に遭った現場を取材しました。 【写真を見る】軽トラックに次々と…防犯カメラに映った一部始終 張り込んでいた警察官に追いかけられる様子も ■防犯カメラに映っていたのは… 去年(2024年)12月15日、熊本県合志市にある建設会社の資材置き場。男が金属製品を持ち去り、軽トラックに積み込んでいます。 この1週間後、12月22日の映像には、張り込んでいた警察官が男に近付く様子が映っていました。 男は山鹿市菊鹿町の自称大工、井上繁夫(いのうえ しげお)被告(72)で、この直後、金属部品8点、合わせて1000円相当を盗んだとして窃盗の疑いで現行犯逮捕され、その後、熊本簡易裁判所に起訴されました。 警察は他の事件との関連も調べていますが、男は逮捕された際、警察の調べに「売ってお金にしようと思った」と容疑を認めていたということです。 同様の被害は他にも。熊本市北区釜尾町では去年6月、合わせて50万円相当の鋼材9本が盗まれ、熊本市北区植木町では去年11月、合わせて100万円相当の鉄板6枚が盗まれました。 いずれも容疑者は逮捕されましたが、その後も各地で被害が相次いでいます。 熊本県警は「思いもよらないものが盗まれて、売られている」として注意を呼び掛けています。 ■全国で増える「金属盗」 警察庁のまとめでは、「金属盗」は2020年から3年で3倍に増えています。 【全国の認知件数】(警察庁まとめ) 2020年:5478件 2023年:1万6276件 熊本県警の担当者は「金属が買い取り業者に転売されるケースが多い」と話しています。 ■なぜ盗まれる? 警察は「資材置き場は塀がない場所も多く盗まれやすい」と話しています。 今回被害に遭った会社は「防犯カメラを設置しても入ってくる」として、高価なものは他の場所に置くなどの対策を進めています。
熊本放送