首都衝撃、30キロ先で揺れ 「かつてない被害」
【カイロ共同】ごう音が響き、夕焼け空に黒煙が次々と立ち上った。イスラエル軍が27日、親イラン民兵組織ヒズボラの本部を標的にレバノン首都ベイルート南部を空爆した。衝撃は大きく、AP通信によると、現場から約30キロ離れたベイルート北部でも揺れが感じられた。現地入りした中東メディアは「かつてないほどの被害だ」と伝えた。 「自分のアパートが爆撃されたかと思った。衝撃で部屋の窓は全て割れた」。空爆現場から数ブロック先に住む女性アランダスさん(29)は電話取材に「恐怖で凍り付き、動けなかった」と声を震わせた。 4歳の娘は泣き叫び、自身も恐怖と衝撃でしばらく立ち上がれなかった。外に出るとあちこちから泣き声や叫び声が聞こえた。「ここは住宅街だ。民間人が被害に遭っている」と憤った。 空爆を受けたのは、ヒズボラが強い影響力を持つダヒエ地区。イスラム教シーア派住民が多数居住し、近くには国際空港もある。イスラエル軍はこの1週間、ダヒエ地区でヒズボラ幹部を狙った空爆を繰り返してきた。