ペット連れで買い物もキャンプも食事も 大阪・岸和田にユニークな商業施設「ワタワン」誕生
【バズる関西トレンド】 だんじり祭りで有名な大阪・岸和田市の緑豊かな丘陵地帯に5月1日、ユニークな商業施設が開業した。施設名は「WHATAWON(ワタワン)」。東京ドームの約半分超にあたる2万9000平方メートルの敷地には、ファッションや雑貨、アウトドアの専門店からフードホール、ライブステージ、温浴施設にトレーラーハウスまで集結し、丸一日過ごせる。 芝生広場にはテントが張れるキャンプエリアがあり、駐車場で車中泊も可能。キャンプ場と宿泊施設が備わった商業施設は国内初ともいえ、運営会社「エクリュ」の原俊之社長は「滞在型エンタテイメントモール」と呼ぶ。 ユニークなのは、ペット同伴で施設内を自由に回れること。ドッグランで走り回る小型犬がいたり、フードコートでゆったり休む大型犬がいたり、いたるところで愛犬との時間を楽しむ姿が見られる。ペットOKであってもエリアが限定されたり、条件付きだったりする施設が多いなか、愛犬のプードルと散歩中の女性は「ここなら気兼ねなく連れてこられて自分も楽しめる」と、うれしげだ。 エクリュ社の本体は、全国に約60万人の顧客を有するアパレル会社「アンティカ」。長らくネット通販だけで販売し、2023年度の売り上げは60億円にものぼる。多くのリピーターに支持され、いまも成長中だ。7年前に初めてリアル店舗を大阪・和泉市にオープン。ネットだけでなく、リアルでも地元客の人気を集めてきた。創業16年を迎え、ネットの顧客や地元への恩返しの思いで開発したのが、ワタワンだ。 ユニークな点は施設づくりにもある。総工費40億円はほぼ自前で用意し、テナントリーシングも社長自ら出向いて交渉した。「おもしろい人たちと楽しい場所を作りたい」という夢と熱意に応えたテナントは50社近く。アンティカと同様に大手ショッピングモールへは出店を断り、初出店という店舗も多い。 コンテナを使った店舗がずらり並ぶエリア「ショーディッチハイストリート」は、英国ロンドンのおしゃれな施設「ボックスパーク」を参考にした。 豆乳とおからのドーナツ店「マンマドーナツ」では、お母さんが子供に食べさせたいおやつをコンセプトに作ったドーナツを販売。シンプルナチュラルなかわいい子供服を展開する奈良の「ビスケ」の店内には、子供が遊べる空間も用意した。「遊びにいくお花屋さん」がコンセプトの「ギュット」では、かばんでラッピングしたおしゃれな花束が好評。ブーケ作りも体験もできる。
33メートル×60メートルの大空間にハンバーガーやうなぎ、カレー、ステーキなどの名店9店舗が揃うフードホールの隣には、ミラーボールが輝くライブステージも。ワタワンは駐車場も含めて完全キャッシュレスを実現。年間100万人が訪れる「蜻蛉池公園」の真向かいにあり、アクセスも抜群だ。 (フリーライター・橋長初代) =隔週木曜日掲載