3カ月ぶり復帰で初戦敗退にも「120%出せた」 新たな「早田ひな」のスタートに【WTTファイナルズ】
◆卓球WTTファイナルズ福岡第1日 スーチ(ルーマニア)3―1早田ひな(20日、北九州市立総合体育館) ■笑顔、涙、抱擁…早田ひな激動のパリ五輪【写真多数】 地元北九州市出身の早田ひな(日本生命)は初戦敗退に終わった。パリ五輪では女子シングルスで銅メダル、団体で銀メダルを獲得したが左手を故障。その影響で故郷での大会で約3カ月ぶりの試合復帰を果たしたが勝利で飾ることはできなかった。 過去5戦全勝の相手に2ゲームを先取され、第3ゲームで1ゲームを取ったが最後は6―11で敗れた。「相手も強いので簡単に勝てなかった」と勝負の厳しさを感じたが、コートでは時おり笑顔が浮かんだ。「五輪の後に練習してきたことはすべて出せた。120%の出来で悔いはないです。勝てなかったのは実力が足りなかったから」と納得の表情だ。 左手の回復を見ながら練習を再開したのは10月後半になってから。現在の状態は「怪我をしていない状態からは40%」と分析するが「今できることはやれた」とうなずく。五輪後から取り組んできたラリーの時のバックハンドの使い方など、新しく習得した技術でポイントを取る場面もあり「新たな自分が出せた」と手応えはあった。「練習できないときもパリ五輪の前には思いつかないことを考えたりして、戦術面も復帰してフルで生かせたら」と常に進化を目指してきた。 以前から楽しみにしていた地元北九州市での大会で試合復帰。会場には家族や小学生時代の幼なじみも駆けつけ「負けていても応援してくれたり、声をかけてくれて幸せな時間でした」とコートに立てた喜びをかみしめた。 今後の試合の予定はまだ白紙だが「パリのことは忘れて、新たな自分に生まれかわって一つ一つ試合をして4年後に本物にしたい」と故郷で4年後への第一歩を踏み出した。〈前田泰子)
西日本新聞社