輪島・町野のスーパー「もとや」に初の宿泊拠点
能登半島地震と奥能登豪雨で被害を受けた輪島市町野地区で7日、同市町野町粟蔵の「もとやスーパー」がボランティアが宿泊できるスペースを開設した。復旧業者らが宿泊できる場所がなく、宿泊地と町野との移動に時間がかかる課題を解決しようと店主の本谷一知さん(47)が企画した。初日は学生ら20人が利用し、本谷さんは復旧の加速に期待した。 もとやスーパーの店舗の3分の2に相当する約500平方メートルを充てた。1人用テントや布団を備える。30~40人が利用できる。料金は取らない。 7日は、愛知県の星城大硬式野球部の20人が町野でボランティア活動に取り組んだ後、宿泊スペースを利用した。政山恵輔監督は「バスで寝る覚悟もしていたが、横になれる場所があってありがたい」と話した。 もとやスーパーは、町野唯一の食品スーパーとして元日の地震で被災後も営業を続け、住民を支えてきた。9月の豪雨で一時休業したが11月に営業を再開。来年春以降には交流拠点の整備も予定する。本谷さんは「冬に雪で町野が再び孤立する恐れもある。復旧を進めるため、泊まれる環境を整えられて良かった」と話した。